ベトナムGH11連泊の旅(14)ハノイ 古都ニンビンへの日帰りツアー

バイクの後ろで快適にハノイの街を走り抜ける。先日ミャンマーでバイク決死行3時間をやっているので、平地でしかもスピードも出ない旅は楽ちんだった。しかしいきなり日本から来た普通の観光客にやったら、大変だろうな。旧市街の一角でバイクは停まり、ガイドは旅行会社に入って行った。そしてバスがやって来た。既にヨーロッパ系の人たちが何人も乗り込んでいる。

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そのバスで他のホテルを回り、お客をピックアップした。客が揃うと郊外に向けて出発。ニンビンはハノイから南へ2時間、と聞いている。道路も郊外へ出ると渋滞もなく、快適なドライブとなる。ガイドは英語を話し、ジョークを飛ばす。お客はヨーロッパ人が多く、ノリが良い。あとはシンガポール人とマレーシア人。私は唯一の日本人。

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車は1時間ほど、農村地帯を走る。所々に建設中の建物などが見える。そして休憩所に入った。この辺、ベトナムもルールが厳しくなったのだろうか、いや商業的な目的でお土産物屋に合法的に連れて行く手段だろうか。トイレに行ってから店を覗くと、障害を持った人々が工芸品を製作していた。欧米人はこの辺に関心を寄せている。他のバスで来た中国人観光客は、朝からせっせと土産物を漁る。しかし以前と比べて中国人の姿が減ったなと感じる。これが5月の反中暴動の余波ということなのだろうか。中国国境からハノイまでは車で僅か2時間ほどの距離なのに。

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またバスは走り出し、そして1時間ぐらい行くと川が見えてきた。山水画のような風景、これは昔中国の桂林で見たものに何となく近い。ここニンビンは約1000年前、ベトナム初の王朝の都だったところ。古い宮廷の見学から始まる。橋を渡り、実に古びた門を潜り、かなりこじんまりした建物に入る。中には皇帝の台座があり、外には皇帝の墓と呼ばれるものがあった。全てに龍があしらわれており、この時既に中国の影響を大きく受けていることが分かる。そう見てみると、建物の構造や庭の配置なども中国風に見えてくる。

 

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今ベトナムは乾季であるが、日中は相当に暑い。マレーシアから来た私より年上の夫婦は古い樹木の下で涼を取っていた。彼らの息子はちょうど今、東京に旅行に行っているらしい。親がベトナムで子供が日本へ、そんな時代なのだ、日本も大変行き易い場所になったのだ、と感じる。更に古い寺を1つ見学した。

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ガイドが寄ってきて『よかったらここで午後まで過ごさないか?』と真顔で言う。私は何を言われたのか分からなかったが、頭を過ったのは『私のツアー料金にはランチ代が含まれていないので置いて行く』という意味。思わず『なぜ?』と強い調子で詰問するとガイドは冗談だ、と一言。ドイツ人の女性が寄ってきて『彼の英語は分かりにくいから気にするな』と言ってくれたが、何となく嫌な雰囲気になる。

 

それが的中したのが、ランチ。レストランに着くと、ガイドがお客を2つに分けていた。半分以上を2階に案内し、私と韓国人一家、シンガポール人一家、ドイツ人カップルは1階になった。まあ席の都合かと思っていたが、出てきた食事があまりにもみすぼらしい。野菜炒めと豆腐とご飯、そんな感じだった。ドイツ人カップルが早々文句を言うと『だったら更に10ドル払え』と言われている。そうか、ツアー料金が格安のため、食事が最低限に抑えられている。因みに2階へ行った組の食事はかなり豪華で食べ切れなかったと聞く。ツアー料金は重要だ。

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私はシンガポールから来た華人の母と3人の息子と一緒に食べたが、少ないおかずにテーブルは沈みがち。その中で息子の一人は流暢な英語で日本について質問してくる。彼は大学生で好奇心旺盛。私が普通話で答えを返すと、お母さんもビックリして、『あんたは日本人じゃなくて中国人か』と聞いてきた。彼らは福建から来た三代目と四代目、兄弟同士は普通話、お母さんとは福建語を話していた。

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直ぐに食事は終わり、周囲を散策すると、なかなかいい光景が目に入る。牛が荷を引き、湖にはボートが浮かぶ。この後ボートトリップがあると聞いていたので、ここから出るのかと思いきや、またバスで移動した。そして着いたところにはボートが沢山待っており、2人ずつ乗り込む。私はフランス人男性と一緒になる。後ろにおばさんが一人、櫓を漕ぎスタート。このボートは途中3つの鍾乳洞を潜り抜けて行く。何とも神秘的ではあるが、南国のゆったり感が強く、のんびりしている。

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いい景色を眺めていると後ろのおばさんがこっちを見ろ、という。何とおばさんは両足を使って櫓を漕いでいた。写真を撮れ、とサービス精神も旺盛。しかも言葉はフランス語。やはりベトナム、フランス語を話す客が多いのだろうか。後ろのフランス人に行くと『ベトナムでは今はあまりフランス語が通じない』というから、このおばさん、独自に勉強したのかもしれない。凄く豪快なおばさんだ。そして我々にも自分たちで漕げと言い、オールを取りださせて、自分は楽を始める。見ていると他のボーとも観光客が喜んでオールを動かしており、この辺はおばさんたち、観光客の行動を知り尽くしている。

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ガイドからは『降りるときに良かったらチップを1万ドン上げてくれ』と言われていたが、フランス人がおばちゃんに上げようとすると、さっと5万ドン札を取り上げた。お釣りなどくれない。更に私からも1万ドン徴収した。凄い早業だった。シルブプレ、というフランス語が川面に響いた。たくましいベトナム人、妙に愉快だった。フランス人も笑って諦めた。

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そしてバスはレストランに戻る。殆どの乗客が自転車に乗る。私は足が痛かったので大事を取って乗るのを控えた。レストランで携帯の充電をしながら待つ。40分位で一団は帰って来た。そしてブラジルから来た男性が『どうしてお前は行かなかったんだ、自転車に乗ったといっても僅か2㎞ぐらいをゆっくり。そこにはとてもいい景色、撮影スポットがあったぞ』というではないか。私はてっきり、サイクリングを想定したので、完全にミスをした。誰に聞いても行くべきだったと慰められたが後の祭り。これはオプショナルツアーなので、要注意だ。

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