北海でリゾート2014(2)これからも売れる不動産はある

2.北海

新区マンション

Zさんに案内されてマンションの敷地内へ。広々としたスペース、15階の部屋に上がると近くに海が見える。横にはゴルフ場もある。この景色、悪くない。部屋は4つあり、リビングも広い。実に快適そうなマンションだった。でもZさんは『これは夫が好きで買った物、私は高い所は苦手なのでちょっと』というではないか。何という贅沢。ただかく言う私も高所恐怖症、高い所ほど値段も高いので、安い低層階を選びたい心境ではある。

 

夕食はZさんが作ってくれた。材料は新鮮な貝やカニなど。豪華な食卓となった。『レストランで食べると結構高いが、食材を買ってきて家で作るととても安い。これが北海の特徴だ』そうだ。Zさんは日本滞在経験もあり、和食と中華を両方作れる上に、一工夫加えており、とても食べやすい。

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ご主人のトニーもテニスから帰って来て、食事に加わる。息子のG君もいる。初めて会ったのに、何だか昔から知っているような気分で夕飯を食べる。トニーは日本語ができないが、中国語と英語は出来るので、会話も弾む。ビールを飲みながら宗教の話をしたような気がする。G君は15歳にして日本語も中国語も、そして英語もできるので、素晴らしい。最近は5週間、アメリカのサマーコースに行っていたらしい。将来有望だ。

 

食後、Gmailが繋がらないと嘆く私の為にG君がVPNというソフトを設定してくれた。これがあれば何と繋ぐことができた。有難い。G君、15歳にして、私より何倍も役に立つ、頼もしい存在だ。『ただこのVPNはお試しの無料ですから後で使えなくなりますよ』と言われ、予備のVPNまで入れておいてくれた。素晴らしい。

 

そしてほとんどテレビを見ないというトニーが『一緒に見よう』と言ってテレビの前に座る。『中国 好声音』という番組だったと思う。とても人気があるそうで、トニーも『この番組だけは見るよ』という。イメージは昔あった『スター誕生』だろうか。一生懸命歌手を目指す人々にチャンスを与える番組、中国は豊かになったと言っても、まだまだ色々な境遇の人がいる。いや、高度成長期の日本と同じ現象が起きているということだろう。

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8月23日(土)

モデルルーム

夜中はそれほど暑くもなく、朝はゆっくり目覚めた。心地よい朝だった。午前9時前にシャワーを浴びると更に気持ちが良くなった。リビングの窓からは海が一望できる。ベランダに出てトニーと話しをする。朝ごはんはお粥だった。これはお腹に優しく有難い。ガチョウの卵で作った目玉焼きに鰹節が掛かっていた。Zさんは日本の良い所、美味しい所を色々と研究しているのだろう。面白い。食後、お土産にあげた静岡の釜炒り緑茶を飲む。本当に中国的な味がする。

 

それからこのマンション群のセールスオフィスへ行ってみる。ここは2010年に開発が始まり、1期の途中まで完成している。36階建てのマンションは海沿いに数棟建っており、現在建築中の所も多い。プールや公園、そして5年後には小学校まで作るらしい。ここに住む人は中国の東北地方を中心に北部からの投資が半分以上。ただ北部と言っても浙江省も四川省も北部に含まれるという説明が奇妙で面白い。空気が良く、人が少ないこの地には実際に移住して通年ここに住む人も増えている。基本的に退職者だが、なぜかその孫を連れてくる人もいるという。祖父母が孫を育て、両親は都会で働く、という図式は日本では考えにくい。

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モデルルームに行ってみる。現在は2LDK、約90㎡の部屋を売り出している。日本的に言えば63㎡程度の小さな部屋だが、価格は70-80万人民元と周囲の環境も考えればそれほど高くはない。目を惹くのは窓の所に腰を掛ける台が付いていること。これは日本では見られないが、先日台湾でも見かけた。中国人は窓際に座って話すのが好きなのだとか。これからもどんどん建っていくらしいこのマンション群。中国の不動産バブルは崩壊する、と日本では騒がれて何年も経つが、果たしてどうなのだろうか。『いい物件は売れ、粗悪な物件は売れない』という当たり前の状況になりつつあるということか。

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昼ごはん

昼はマンション内の小さな店で餃子を食べる。このマンションには中国らしく、個人経営の小さな店がいくつか出ている。日本ならこの立派なマンションに箔をつけるために高級レストランでも誘致しそうだが、ここでは趣向が異なる。この店の一家も東北地方から出てきて、餃子屋を開いている。

 

水餃子は美味かった。トニーは手の空いた店のおやじと世間話を始める。それがだんだん熱を帯びてきて止まらない。トニーはアメリカ生活が長いせいか、生まれつきの性格か、人と話すのが得意だ。誰とでもすぐに仲良くなれる。おやじはこれまでの苦労話をしているようで、じっと耳を傾けていた。

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午後はZさんが12年物の鉄観音を淹れてくれた。この家には立派な茶道具が置かれている。確かに濃厚な中にまろやかな味わいのある鉄観音茶だった。熱い日差しの午後に部屋でゆっくり寛ぎながら、美味い茶をすする、これもリゾートの醍醐味だろう。

 

夜は老街へ。昨日空港に来てくれたタクシーを呼び、旧市街地へ行く。どうも北海のタクシーはいい加減らしく、慣れた運転手を呼ぶのが良いらしい。旧市街地といっても今やきれいに整備されており、観光地化されており、多くの観光客が道を歩いていた。暗いのでわからなかったが、よく見ると両側の建物は1階が店、2階は住居のいわゆるショップハウスが多かったが、2階部分は相当古いまま残されていた。

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教会がある。戦前の古い店もある。驚いたことに丸一薬局というプレートが嵌っているところを見ると、なんと1936年にこの地で諜報活動をしていた中野順三という日本人がここで殺された、とある。こんなところにこの時代日本人がいたことが驚きであるが、よく考えてみれば、ここはベトナムとの国境であり、広東にも近く、要所だったことを裏付けている。1937年の盧溝橋事件のあとは、日本軍は広東へ進駐しており、その布石が打たれていたことになる。だがなぜこのプレートを嵌める必要があるのか、それがよくわからない。

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マンゴヨーグルトが美味しい、という店で休む。今や入口から中までどこもおしゃれで、若者がたむろしている。なんだかリゾート感覚が出てきた。表へ出ると、なぜか路上でサンマを焼いている。ローカル色もかなりある。その交錯した様子でちょっと楽しくなる。帰りは流しのタクシーを拾ったが、やはりメーターではなく、交渉だった。面倒だが仕方がない。

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1 thought on “北海でリゾート2014(2)これからも売れる不動産はある

  1. 北海の不動産事情はとてもわかりやすかったです窓辺で座りながらのお話は日本では考えられるないですね
    日本では出窓なのでしようかね
    情報部員の殺された記録は
    昔の戦争がまだ残っているような
    感じがして戦争は終わってないような気持ちになりました

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