変化するヤンゴンを歩く2014Ⅱ(8)環状線に乗ってみる

エアコン電車と特別電車

占いに没頭している間に時間はいつしか9時になっていた。今度は乗り遅れることはできないため、走って駅へ行く。電車は常に数分は遅れるとのことで幸いまだ来ていなかった。切符を買うと終点のセントラル駅まで300kだった。エアコン車、どんな車両なのだろうか。

 

電車がやって来て驚いた。日本のJRの車両だったのだ。この路線にたった一両配されている。車内には日本語の表示や広告が残されていた。昔の急行車両だろうか。TTMによれば、最近ヤンゴンの鉄道整備の為にJR東日本が協力しているという。社員も派遣されているとか。エアコン車両の人気は高く、乗りたい人が多いという。確かに途中駅からどんどん人が乗り込んできた。

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それにしても電車のスピードは遅かった。歩いたほうが速いのでは、と思う所さえあった。急いでいる人には全く不向きな乗り物だが、観光用、レジャーとしては面白いかもしれない。子供連れ、若者、カップルが多い。水田で作業をする農民もよく見えた。ヤンゴン市内でもこの線路沿いだけは自然が残っていて、どこを走っているのか分からなくなった。

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ただエアコン車というだけあって?エアコンが効いていた。むしろ効きすぎで寒くて仕方がなかった。1時間20分乗っていたら凍えてしまい、セントラル駅では直ぐにトイレに駆け込んだ。ここのトイレは汚かったが100k取られる。とてもヤンゴンの中央駅とは思えない状況。時代は飛行機になっており、空港の整備などが優先された結果だろうか。

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そして更に電車を乗り替えることにした。別のホームへ行き、切符を買う。次の電車は直ぐに来るとのことだったが、ホームのどちら側に来るのか分からない。古い電車が停まっていたのでそちらかと思っていると、きれいな電車が入って来た。ただ停車位置がかなり外れの方で走って乗りに行く。

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100チャットと200チャットの車両があるようで、皆100チャットの方へ走って行くが私にはどの車両かすら分からない。外国人観光客も来ており、英語で案内を買って出る人もいる。何とか乗り込むと中は空いていた。2倍の料金は威力を発揮した。この電車は冷房車ではなく、心地よい風が車内を吹き抜ける。こちらも先ほどの電車と同様、輸送用というより、観光用。デートのカップルがダラッと乗っていたりする。

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とてもヤンゴン市内中心部を走っているとは思えない景色が続く。この鉄道線路周辺だけは囲われており、木々が茂り、草花が生えている。喧噪とも渋滞とも別世界。この鉄道をもう少し活用できないものだろうか。環状線とは言いながら、いつ来るか分からない電車では、急いでいる人は乗らない。

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お茶の村の話

20分ほど乗り、ある駅で降りた。本当に田舎の駅に降り立った感じだ。ここからランチの約束の場所へ向かうのだが、やはりタクシーが必要だった。電車の不便さを実感。今日はバンコックお茶会に参加しているIさんからのご紹介でヤンゴン在住日本人Tさんと会う。指定された場所は先日ミミさんと食事をしたカイカイチョーだった。ここは有名なレストランらしい。この日もお客で混んでいた。

 

Tさんを探したが見付からず、携帯に電話したところ、仕切られた場所を予約してくれていた。Tさんはミャンマー在住15年、NGO活動を行ったり、大使館の仕事を請け負ったりと、ミャンマー事情に明るい。ミャンマー語も堪能で、料理も選んでくれた。

 

話を聞くと、最近関わったシャン州の村がお茶で村興しをしたいらしい。そこは昔行った北シャンのチャウメイから山に入って行くとか。そしてその村はパラウン族と言う少数民族が住んでおり、政府軍と最終的な停戦合意が出来ていないので、一般の外国人は入ることが出来ないと聞き、興味を覚える。

 

もしやすると雲南あたりから来た少数民族で、お茶の起源に繋がっているのかもしれない。そんな山の上で伝統的な製法でお茶を作っているのであれば、かなり珍しいお茶があるのかもしれない。想像はどんどん広がる。更にはTTMが『そこはナムサンか?』と聞き、かなり近いというのでまた興味が出る。

 

TTMによれば、ナムサンは子供の頃、よく飲んだ紅茶の産地だったという。軍人だったTTMのお父さんが配給で貰ったとか、その缶を使って別のおやつを食べたとか、TTMの回想は尽きない。決して豊かではなかった時代、ナムサンの紅茶を飲むのは喜ばしかったに違いない。だが、なぜシャン州に紅茶があるのだろうか。イギリス時代の影響だろうか。

 

TさんはNGOの経験は豊富だが、お茶については全くの素人。そしてその村の歴史に関しても殆どわかっていなかった。むしろだからこそ、行ってみたいという欲望が湧いてしまった。更に前回僅か2時間ほどしか滞在できなかった街、チャウメイ。ここも再度訪れ、もう少し見てみたいと思う。時期を見てTさんと行ってみようということで今回の話は終わる。これも茶縁。

 

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