バラナシ伝説のGHへ行け2014(6)リキシャで熱風に煽られて

4月29日(火)

ケダーシュワルツロッジとイーバカフェ

その夜は昨日よりかなり慣れて、少し眠りが深かった。もう朝5時に起きてガンジスを眺めなくてもよさそうだ。だが6時半も過ぎると強烈な日差しが空けていた窓から差し込んでくる。ガンジスはそんなに甘くない。簡単には寝かせておいてはくれなかった。昨日と同様8時に朝食を取る。今日の方が人は少なかった。昨日多くの人がチェックアウトし、インド各地やネパールに散って行った。夜中に駅に向かった人もいたようだ。私のようにこの宿の路地すら満足に歩けない者にはバックパッカーは無理だな、と思う。

 

10時頃、昨晩Sさんに教えてもらったケダーシュワルツロッジに行ってみる。ここのオーナーはSさんから日本語を習ったことがあるという。クミコハウスと同じような立地だが、こちらはきれいに改装し、1泊2000-3000rpも取っているという。そうクミコハウスにもそういう可能性はあるのだ。だが、久美子さんもご主人もそういう金儲けには興味がない。それより、如何に安定的に宿を運営していくか、そこに苦心していた。この対照は面白い。

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それにしても午前中とはいえ、ガンジス河畔に照り付ける太陽の強さは尋常ではない。その照り返しで目がおかしくなりそうだ。その日の最高気温は後で聞くと43度だったようだが、体感温度は50度にも達している。そこを歩いているだけで、目が回りそうだ。そんな中、目の前には見事なほどに白い洗濯物が堂々と干されている。その白さがまた眼を焼き付ける。

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日本人が経営しているイーバカフェ、という所にも行ってみる。残念ながらオーナーは不在だったが、彼には著書もあり、このインドで、このバラナシで日本人がビジネスをしていることが良く分かる。このカフェはバラナシとは思えないきれいな内装である。聞けば若いインド人のデートスポットになっているらしい。

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私はこれから空港へ向かい、ムンバイ経由でバンコックまで帰る身。腹ごしらえが必要だとメニューを見れば、『日印奇跡のコラボ』というキャッチコピーに惹かれた。それはカレーうどんだった。確かに食べてみたいと注文、ちょうど料理がやってきたところで間が悪いことにHさんから電話が入り、話しながら食べる羽目に。どうもあまり味のことは覚えていないが、麺はしこしこしていたように思う。

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そしてクミコハウスに戻り、久美子さんに別れを告げて、チェックアウトした。『また来ます』と言ったものの、再度来る機会はあるのだろうか。やはりここはバックパッカーの聖地、私には似合わないような気がした。

 

リキシャで空港へ 暑さに乾く

荷物を引き摺り、路地を歩く。そしてオートリキシャを探す。意外とあっさり450rpで行くという運ちゃんがいたので、乗り込む。これで楽ちん、と思ったのは大間違いだった。リキシャは市内を迷路のように走り出す。そのほこり、車とリキシャの多さ、汗がしたたり落ちた。

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郊外に出るとスピードが出て風が少し入るようになる。これで助かったかと思うと、その熱風のすさまじい暑さ、やはり尋常ではなかった。とても景色を見る余裕などない。速く着いてくれ、その一点だったが、リキシャのスピードは遅く、いつになっても着かない。もう喉が渇いて死にそうだった。砂漠でラクダに乗る人の気持ちがほんの少しわかったような気がした。

 

1時間半ほどかけて空港に着いた時にはもうヘロヘロだった。さて、これでまた運ちゃんが何か言いだし、交渉になったら勝ち目はないと思っていたが、彼は親切にもカートまで持ってきてくれ、最初の料金を受け取ると『サンキュー』と言って戻って行った。何と有難いことだろうか。

 

スパイスジェット 荷物を預けさせられる

空港ロビーに飛び込むと何をおいても飲み物を買いたかったが、そこはインド。セキュリティチェックをしなければ中へ入れない。そのスピードの遅いこと、そして私の荷物について何か言っていたが無視して中へ入る。それほどに疲れていた。

 

今回はLCCのスパイスジェット。1月にバンコック‐プネーを往復しており、印象は悪くない。ところがチェックインの時に『荷物を預けろ』と言われる。これまでジェットもエアインディアも同じ荷物の量で預けろと言われたことはなかった。兎に角飲み物が飲みたかった。それでも無情にもセキュリティチェックに戻された。チェックする人間が『だから言っただろう』と言う。もう頭が回っていなかったのだと思う。意識朦朧、とはこのような状態なのかもしれない。

 

チェックインが完了し、横の売店でコーラと水を買った。水だけでよかったのだが、強烈に甘味を欲していた。両方とも一気に飲み干す。これで生き帰った。その後飛行機の到着が遅れ、出発も1時間遅れたが、ぐったりと休んでいた。インドに9日間にいること、後半の一人旅、疲労が溜まっていたのだろう。ネットも勿論繋がらないのでいい休息になった。

フライトはまずはデリーへ行き、それからそのままムンバイへ。狭い座席、同じ機体で運ばれていった。LCCなので食事などは出ない。途中2回ほど、冷たくない水が配られたのみ。腹が減ったが、大人しくシートに体を沈めることしかできない。

 

ムンバイ空港に驚く

ムンバイに着くと、国際線ターミナルまでシャトルバスに乗る。国内線から国際線までかなりの距離がある。バスに乗るにもチェックがあり、荷物をバスに積み込むとチップを請求される。何ともインドだ。

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そして国際線ターミナル。遠目に見ても実にきれいだ。中へ入ると驚くほどに輝いていた。以前はこんなだっただろうか?チェックインを済ませて、出国審査を終えると、そこはインドではなかった。煌びやかなショッピング街、きれいな通路。驚きの連続である。

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更に驚いたのはそこで私の名前を呼ぶ声に遭遇したこと。何とA師夫人が目の前に立っていた。周りにはタイ人が数人。そうか、今回バンコックからムンバイへ来るときに『タイ人ヨーガツアーご一行』で出くわしていた。帰りは彼女らの方が日程が長かったので会うはずがないと思っていたのだが、当方もバラナシへ行ったため、帰り便も同じになったようだ。これもご縁かもしれない。

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間違って買ってしまったジェットのビジネスクラスチケットのお蔭で、ムンバイのラウンジに潜入。これもまたかなり豪華に出来ており、驚く。食べ物も飲み物も沢山あった。WIFIも繋がる。インドの変化を見る思いがした。

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夜中1時、飛行機に乗り込む。ビジネスクラスも満員。何と隣に座っていたのは日本人だった。彼女が後方にいたので旅行だろう。もう一人日本人ビジネスマンも乗っていた。インドへ行く日本人が増えていく、インドも変わっていく。食事もせずにシートでぐっすり休んだ。

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