新疆南路を行く2012(2)ホータンで待ちぼうけ 

(4)   渋滞

Oさんと別れてホテルに戻り、チェックアウト。昨日空港に迎えに来てくれた人が空港まで送ってくれることになっていたが、約束の11時になっても来ない。まあ飛行機は13時15分、余裕を持って待つ。11時20分にようやくやって来て乗車。ところが・・・。直ぐに交通渋滞にぶつかる。一時は全く動かずに20分も過ぎていく。こうなると余裕はなくなる。運転手は「この程度の渋滞、ウルムチではよくあることさ」と気にも留めていない。でももし飛行機に乗れなかったら、とても面倒だ。

途中のトンネルまでが激混みだったが、その先は意外とスムーズに行った。出発1時間前には空港に到着、やれやれと思っていると、今度は空港内へ入れない。現在ウルムチはテロへの警戒からか、入り口で荷物検査を実施していた。乗客は私と同様、ぎりぎりで空港に到着している。当然混乱が起きていた。

何とか混乱を掻い潜り、チェックインを済ませてホッとする。ところが、今度は空港内の身分証検査に長い行列が出来ていた。そして出発30分前になり、ようやくそこを通過、しかし更に再度の荷物検査が。もう搭乗時間だ、と慌てる。検査官がこんな時に限って念入りに調べている。私の足をチェックし終わったので、歩き出すと、何と別の検査官に足タックルを受ける。なんだこれは。後で分かったのだが、何と足の裏のチェックが必要だったのだ。手荷物をしっかり押さえられ、何だか犯罪者になった気分。それほどまでに犯罪があるのか、いやそれほどまでにみんな焦っているのだ。

(5)   ホータンへ

何とか飛行機に滑り込む。機内は意外なほど、空いていた。実は2か月前に最初に予約しようとした時は全てが割引運賃なし。ところが3週間前に最終的に予約する時は40%オフになっていた。何故だろうか、どうやら漢族はテロを警戒し、南新疆への旅行を取りやめ、旅行社が大量にキャンセルを出したらしい。やはり危ないのか。そういえば、北京、ウルムチ間の航空運賃も同じようにディスカントになっていた。

ホータンまでは約2時間、同じ新疆内とは思えないほど、遠かった。そういえば前回のカシュガルも1時半半以上掛かった。本当に広い所だ。乗客にはウイグル系が目立っていた。外国人もあまり見かけない。殆ど揺れることもなく、ホータンの空港に定刻に到着した。小さな空港だった。タラップを降りると、周囲には何もなかった。80年代の中国の空港を思い出す。何となく懐かしい雰囲気があった。荷物を取るターンテーブルも小さい。うーん、本当に中国の果ての果てまで来てしまった感じがある。

3.ホータン  (1)   空港から

空港に到着したが、今日は自力でホテルへ入るように言われていた。空港前のタクシーを避け、奥に停まっているタクシーに声を掛ける。「どれに乗っても20元だよ」と言われる。車内で待つが、他の客が来ないと発車しない相乗りのため、一向に出る気配がない。すると他の運ちゃんがやってきて、お客を交換しろ、という。家族4人組が来たので、私がトレードに出され、直ぐ出発する車に乗り換えた。既に3人が乗っていた。何キロも走らない内に街に入り、役所関係者は役所の前で、女性出張者は予約したホテルで降りていった。

私が指定されたホテルはこの街では結構立派なホテルだった。横には大きな広場があり、この辺が街の中心だと思わせるものがあった。ただラマダン中だからか、人影はまばらで、時折観光客が歩いているだけ。何とものんびりとした風情が漂っていた。このホテルでも予約が分からいと言われ、J教授に電話する羽目に。J教授一行は本日ホータンから200㎞離れた街に視察に行っているとのことで、ホテルで待つように指示がある。

(2)   待ちぼうけ

暫くホテルで休んでいたが、ネットが出来ない。聞けば、少し離れたネットカフェなら出来ると言われ、行って見ることに。ショッピングセンターの裏にあったその店は、ネットカフェというより、ゲームセンター。かなり広いスペースにPCが何百台も並び、薄暗い中、昼間から大勢の人たちがヘッドホンをして、何かを見たり、ゲームをしていた。あまり健全な場所と思えなかったが。

どうやってメールチェックが出来るか聞くと、本来は身分証が無いと登録できないらしい。ただ外国人には臨時証を出すとのことで、カードを貰う。何と1時間僅か3元、これなら暇な若者が昼か屯する訳だ。でも自分のPCは全く繋がらない。この辺は管理がきちんとしている。

メールをチェックするとやることもないので(中国ではツイッターもFacebookも見られない)、外へ出る。隣のショッピングセンターへ入ってみると、2階にお茶屋があった。どんなお茶を売っているのか覗いてみると、鉄観音やプーアール茶など、高いお茶ばかりだった。オーナーの女性は安徽省から出て来て、この店を開いた。お客は漢族もいるし、ウイグル族もいるという。

最近はホータンにも金持ちはいる。彼らは普通のお茶には興味がないので、内地で流行りのいいお茶を持ってきて売っている。地元の普通の人はバラ茶かな。結構大きな店構えだが、どの程度売れるのだろうか。

そして腹が減ったので、周囲を見渡すが、午後4時では開いている店も少ない。ようやく1軒、何だか団子スープと読める店が開いていた。団子やネギ、などが入った美味しいスープに蒸しパンを入れて一緒に食べる。これはかなりイケル。15元。

そしてホテルで待つが、いつまで経っても一行は戻らない。新疆時間午後9時、遂に電話してみた。すると・・、村で大宴会が開かれ、皆へべれけに酔っており、私のことなど、完全に頭から飛んでしまっていた。イヤー参った。

仕方なくホテルを出て夕飯を探すが、既に時間も遅く、屋台も店仕舞いしていた。1軒、まだケバブを焼いている店があったので、ナンと一緒に頼み、口に放り込む。肉汁が何ともいえない。腹が減っていたので、数本食べる。これで満足、ホテルへ帰って寝る。深夜隊長のN教授が恐縮してやってきた。こちらは既に夢うつつであった。




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