何となくプノンペン2014(6)ドリームガールズプロジェクトを見学する

3.ドリームガールズ

プロジェクトイベントを見学

そして今回の目玉、ドリームガールズプロジェクトへ。会場は老舗ホテル、サンウエー。セントラルマーケットから歩くと10分ぐらい北にあった。ホテルの前まで来るとお知り合いでこのプロジェクトを紹介してくれたKさんと出会う。

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ドリームガールズプロジェクト(http://www.dreamgirlsproject.com/)とは何か。『カンボジアをはじめ、アジア途上国の女性が自分のやりたい職業で自己実現ができるチャンスを創り、成功していく女性をプロデュースするプロジェクト』であり、現在カンボジアではデザインコンテストを開催、デザインを募集し、優秀な作品を商品化、そのロイヤリティーの一部をデザインを描いた女性に還元するというもの。

 

今回はその第4回コンテスト(年1回)の結果発表会に参加するためやってきた。ちょっと早めに着いたと思ったが、既に会場フロアーには100人以上のカンボジア女性が開始を待っていた。その熱気たるや凄い。10代から20代の女性達、そしてその母親などの姿が見られる。既にこのプロジェクトはカンボジアでは相当に認知されている。

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会場に入るとプロジェクト代表の温井さんをはじめ、日本人スタッフとカンボジア人が一生懸命準備していた。温井さんとは昨年11月にバンコックでお会いし、色々と話を聞いていたが、『とてもできると思えないプロジェクトを無謀にも出来ると思い込みやっていく』、その馬力は敬服に値する。

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コンテストが始まると、優秀作品に選ばれたデザインが次々と映し出される。その質は思っていたよりはるかに高い。温井さんは『アンコールワットに行って見た模様から、クメール人にはデザインの才能があると直感した』という。それは事実だったのだろう。勿論かなり初歩的な作品もあったが、デザインというものを理解した人々は、急速に向上してくるらしい。今回は4回目だが、1回目とは全然違う進歩がある。

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そして各賞が発表されるたびに、歓声が響き渡る。受賞者は誇らしげに、また恥ずかしげに賞を受け取る。みんな相当に若い。この各賞はカンボジアに関連した日本人、企業を中心に協賛されており、このスポンサーなしでは成り立たない。プレゼンテーターは各協賛者である。カンボジアではボランティアを行う日本人は多いが、就業機会を与える、お金になる才能を伸ばす活動をしているところはどれほどあるだろうか。

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最優秀作品が発表される頃には、私も彼女たちのデザインに魅了されていた。受賞者の中には涙を流して喜んでいる者もいた。各作品を簡単に紹介する彼女たちは実に誇らしげだった。何だか熱い、会場の熱気だけではない、何らかの思いが感じられた。最初参加者はプノンペンだけだったが、今回はシェムリアップとバッタンバンでも予選を行い、受賞者がここへ来ていた。プノンペンは既にそれなりの都会となっており、地方から来た人たちは一際素朴に見えた。会が終了しても、皆思い思いに話し込み、なかなかお開きにならない。それぞれの思いが交錯していた。

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『デザイナーになるのが夢』などカンボジア女性たちが具体的な目標を持ち始め、その夢を実現できる舞台を整えているところにこのプロジェクトの意義がある。またその基礎として『日本が好き』『日本語の勉強をしている』人々も多く、日本とカンボジア、を考える上でも有意義。

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日本食レストランで

この会に協賛社として参加していたTさんに誘われて、Kさんと一緒に、彼の店へ行く。まだソフトオープンだという日本食レストランはバンケンコンの一等地にある一軒家。かなり立派なロケーションにあった。

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夕方のやや涼しい風が吹く前庭でビールを頂く。これは実にいい気分だった。Tさんは中国でのコンサル業経験もあり、ここ1₋2年はプノンペンのこの店の開業に尽力しているが、その他にもウラジオストックなどへ行くこともあるらしい。私も2月に中ロ国境に入ったので、その話題で盛り上がる。カンボジアでロシアの話が出るとは。こういうのはグローバルというのだろうか。

 

先ほどドリームガールズに参加していたカンボジア女性3人がやってきた。この店もこれから開業だが、もう1つ、6月開業予定のイオンモールへカレー屋を出店するとかで、そのバイトとして声を掛けたのだ。彼女らは日本語学校に通っており、日本への関心は高い。一緒に食事をすることに。

 

実はTさん、彼女らにこの店の料理を食べさせて、カンボジア人の味覚調査を始めていた。ところが・・、彼女らと言葉が通じない。簡単な日本語を話すと言っても、微妙な表現は難しい。ただ『美味しい』と言われても意味はない。3人のうちの一人はかなり普通話が出来たので、いつの間にか私が通訳になってしまった。カンボジアで普通話の通訳、これもまた面白い。

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昨晩食べに行った日本食屋、時代屋。現在プノンペンのカンボジア人に一番有名な店はやはりあそこだった。そして味の基準も時代屋。焼き鳥、お好み焼き、鍋料理、何を食べても時代屋と比べて、薄いとか甘いとか、そのような評価になる。この店の調理人は日本人、微妙な日本の味を分かってもらいたいが、そこまでは難しいようだ。ソースをかける、マヨネーズをかける、そのようなことで、味を調整して食べて貰うしかない。

 

時代屋はその普通のカンボジア人の好みの味を出しているということだ。だがカンボジアの金持や日本人はそれでは物足りないだろう。高級店を目指すこのお店、果たしてどのような路線に行くのだろうか。

 

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