スリランカ紅茶の買付茶旅2016(11)バルコニーで紅茶を

街歩き

今日の宿が決まったので、早速駅へ向かい、明後日のコロンボ行の切符を買いに行く。ルピーの現金が少ないので、両替しようと思ったが、すでに銀行は閉店時間だった。仕方なくラオスの時と同様に、タイのカードを銀行脇のATMに突っ込んでみると、ここでもちゃんと、1万rpの現金が出てきた。勿論両替レートは悪いだろうが、何とも便利な世の中になったものだ。日本の銀行カードは海外で現金を引き出せるのだろうか?

ハプタレーの鉄道駅へは線路に沿って行ってみた。というか、地元の人は線路の上を歩いていく。それほど列車は来ないということだろう。すると先ほど来た列車を見たことは吉兆だったのか。駅舎はかなり小さいがいい感じで嬉しい。標高は1431mとの表示がある。駅構内には自由に出入りできる。というか、構内に入らないと、切符は買えない。駅長室のようなところへ行くと、全ての調度品がレトロでなんとも好ましい。

そこでコロンボ行の切符を買う。1日、5本あるようだが、都合のよい電車は朝7:45発だった。1-3等までのランクがあったが、取り敢えず1等を買ってみる。それでも1250rp。2等ならその半額だ。3等は更にその半額。分りやすい。席を指定しないと多少安くなるようだった。一体どんな列車なのか、乗るのが楽しみになってきた。

駅の前の道を戻る。すぐ近くに質素なカフェがあった。白人が数人、サンドイッチを食べたり、飲み物を飲んでいた。よく見ると、そこの下に通じる道があり、ゲストハウスになっていることが分かる。ここに泊まれば、明後日の朝が早くても気にならないと思い、部屋を見せてもらった。今日の夜泊まる部屋に比べるとかなり落ちる。そしてバストイレも共同できれいではない。だが、駅までの便利さと、さらに明日宿を探す手間を考えて、ここを予約した。窓からの景色は良い。でも2000rpは高過ぎると思うのだが、どうだろうか?

疲れたので、宿へ帰り、バルコニーでネットを繋ぐ。紅茶が飲みたいな、と思うと、何とこのバルコニー、レストランに繋がっていた。紅茶を注文すると、ボーイが反対の通路から運んできた。ということは、このバルコニーは単なる通路だった。となると、人がここを通るわけで、あんまり変な格好でいる訳にはいかないようだ。

それにしても、バルコニーでティーポット(300rp)から紅茶をカップに注ぎ、ゆっくりと雄大な景色を眺めながら飲むのは、何とも爽快な気分だった。一人になった寂しさよりも、むしろ開放感が漂う。夕方の風景が徐々に流れるように変化する様子を見ながら、時間を忘れて過ごしてみる。この4日間は実に忙しかった。そしてその前のミャンマー、ラオスの壮絶な旅のダメージからよくここまで立ち直ったものだ、と自ら感心する。

今日はもう動く気はない。夕飯もレストランに注文して、バルコニーで待っていたが、周囲が暗くなる。そして外の電球が切れており、外灯がなくては相当に暗い。これでは食べることができないので、仕方なくのっそりと食堂に入っていくと、韓国人のカップルが驚いていた。焼きそばとスープを食べて、早々に退散する。今晩はとにかく一人がいい。

バルコニーでは何もできなくなり、部屋に入ると本当にすることがない。いや、実際には明日の行動の準備とか、調べものとか、原稿を書くとか、やることは色々あるのだが、ようはやる気が起こらない、というのが正しい。熱いシャワーをゆっくりと浴びる。ロビーでは酒が出されるので、白人の酔っぱらいの声が相当にうるさかったが、ボーっとしているうちに、疲れがドーッと出て、寝こけてしまった。これは幸せな眠りだった。

2月12日(金) リプトンシートへ

翌朝は当然早く起きて、バルコニーでボーっと周囲が明るくなり、日が差していくのを見ていた。朝食も食べ過ぎから控え、紅茶を頼んで、持っていたクッキーで済ます。これで体が軽い。ハプタレーですることは何もないが、せっかくここまで茶旅をしてきたので、茶工場へ行ってみようと思う。ダンバッテンという工場があるらしい。

昼前には戻れないかもしれないので、名残惜しいが宿をチェックアウトして、荷物を引いて坂を上り、昨日予約した駅近くのGHに移る。こちらの部屋も空いており、鍵をくれたので、荷物を部屋に置くことができた。窓の外から眺める景色はこちらも素晴らしい。茶畑もよく見える。部屋は良くはないが、ロビーの雰囲気は昔の別荘のようで、素晴らしく見える。ここでボーっとしていたかったが、元気が余っていたので動き出す。

バスターミナルで聞くと、その裏からダンバッテン行のバスは出ているという。だが、ここに本当に来るのだろうかと迷っていると、トゥクトゥクの運ちゃんが声を掛けてくる。ダンバッテンまで500rpだというのだが、時間も有り余っており、断ってしまった。ところが10分経っても20分経ってもバスは来なかった。こんなことならトゥクに乗ればよかったのに、と後悔したが、スリランカの運ちゃんはインドとは明らかに違って、全くしつこくない。こちらが来てほしいと思っていても、誰も寄ってこない。お行儀が良すぎるだろう!

そこへ小型バスがスーッと前を通った。何となく見ていると、何と英語で『Lipton Sheet』と書いているではないか。ガイドブックには、リプトンシートへ行くバスはない、と書かれており、そこへ行くのは諦めていたのだが、車掌に聞くと、確かに行くというのだ。但し今戻ったばかりなので、出発は30分後と言われるが、それは気にならなかった。ダンバッテンより向こうに歩かずに行けるなら、待とうと思う。トイレに行き、飲み物を買い、時間をつぶす。その間にダンバッテン行バスもやってきたが、もう乗る気はなかった。

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