金谷から掛川までJRに乗り、今晩の宿に辿り着く。腹が減ったので、すぐに外へ出て一番近い食堂で焼肉定食を食べた。この食堂で食べたのは数年ぶりだが、思ったより美味い。値段はちょっと高くなっていたが、店があるだけ有り難い。掛川の夜はかなり寂しい状態で、風も冷たい。宿には大浴場があるので、ゆっくり浸かって疲れを癒す。更にこの宿には夜泣きラーメンもあるので、つい食べてしまう。

12月16日(月)森町の1日
宿の朝ごはんは立派だった。いつもは結構高いこの宿、冬のせいかかなり安くなっていたので予約したのだが、十分満足できた。何だかコロナの頃の宿代を思い出す。部屋の窓から冬の掛川城がくっきり見えた。チェックアウトして、掛川駅へ向かう。天竜浜名湖鉄道の駅はJRの脇にひっそりとある。


既に学生の登校時間も過ぎ、乗客はほぼいなかった。列車の車両にはミツバチのキャラクターが描かれている。この付近ではハチミツも有名なのだろうか。30分乗ると森町に到着する。駅にMさんが迎えに来てくれ、早々活動が始まった。元々はMさんにちょっとご挨拶のつもりで来たのが、どうやらそうはなっていない。

まず訪ねたのはKさん。ちょうど今月、「森町茶業史」が10年の歳月をかけて完成し、出版されたのだが、その編集を行ったのが郷土史及び茶業史に詳しいKさんだった。Kさんとは以前から交流はあったが、さすがに本が完成してホッとしている様子が見られた。やはり大作業だったんだな、と感じる。Kさんの家は江戸時代から続く麹屋さんで、その本業も忙しいらしい。昨日学んだ殿岡家の話しもちょっと出て面白い。

続いて、森町の茶業組合の会長さんのところへ行く。8年前初めて森町を訪れた頃は、藤江勝太郎という名が出ることはなかった。だが今日は会長の口からその名が出てきて、嬉しい。実際に台湾も訪問したという。歴史は着実に掘り起こされていき、そして動いていると強く感じる。

ランチに森のレストランへ行く。大自然の中にある施設で自然薯の定食をご馳走になる。このエリアの開発にはその昔、Mさんも関わったとのことで、思い出深いようだ。午後は遠江一宮、小國神社へ行く。この神社はとにかく、雰囲気が良く、悠久の歴史を感じさせる荘厳さがある。


神社の祢宜さんにお話を聞いた。何とタイのシーラチャに分社を建てたというのだ。仏教などの宗教団体の海外進出はよく見かけるが、神社も海外進出の時代なのだろうか。しかもタイの大手財閥の要請だというからちょっとビックリ。華人系のこの財閥、その昔ちょっと付き合いがあって懐かしい。

この神社に「台湾サクラ」が植えられているというので、見学しに行く。神社の裏手にまだ幼い状態だった。このサクラは台湾から送られ、皇居の次に数か所に植えられたものの一つだという。タイだけではなく、今後は台湾との関係も視野に入れているようで、非常に興味深い。

神社の横に、お店がいくつかある。森町でも老舗のお茶屋さんがあり、ちょっと覗いてみる。この茶舗の歴史を知りたかったが、ご主人は不在だった。今はあまり知られていないが、森町は江戸から明治の重要な茶産地、森町茶業史で確認すれば、老舗茶商の歴史も分かるかもしれない。
