スリランカ紅茶の買付茶旅2016(15)コロンボフォートとペターを歩く

10.コロンボ

歴史的な宿へ

コロンボの中央駅であるコロンボフォートは他の駅に比べれば大きな駅ではあったが、それでも中央駅と言ってイメージするほどの大きさではなかった。ただ駅前は東南アジアの駅、という感じでごちゃごちゃしており、方向性も分らなかった。取り敢えず乗客について歩き出したが、皆すぐにどこかへ行ってしまい、取り残される。

 

私は宿を決めていなかった。先日来の旅で、大きな駅前には手ごろな宿が必ずある、という法則を見出していたからだった。だが、この駅前にはどうもそんな感じのホテルは見られない。しかも山と違って、異常に暑く、耐えられない。仕方なく地球の歩き方を開くと、YMCAが近いとのことだったので、行ってみることにした。

 

フォート地区の比較的きれいな道を行く。すると、忽然と歴史的建造物が現れた。それがYMCAだった。あまりに古さにビビってしまったが、暑いので他を当たる気力もない。1882という数字が見えるから、100年以上前からここにあるのだろう。広いが薄暗いロビーの天井には扇風機が回っていた。ものすごくのどが渇いており、思わず冷蔵庫に入っていたコーラを飲ませてもらうほどだった。

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エアコンなしのドミトリー、ベッド1つが1500rpと言われたが、とても耐えられそうにない。エアコン個室、バストイレ付きを希望すると、突然7000rpになってしまったが、もうどうにでもなれと、そこに決める。エレベーターもない建物で、4階まで上がるのはちょっと大変だった。その奥行きもかなり広く、どれだけの人が泊まれるキャパがあるのか、想像すらできない。ただとにかく古いし、すごく清潔、という感じはない。

 

それでも部屋は窓もあり、予想以上ではあった。すぐにクーラーをつけて涼むと極楽気分だった。昨日まで山の天然の涼しさを体一杯感じて過ごしていたのに、都会に出るとすぐにダメになってしまうは辛い。ネットがロビーでしか、繋がらないのが、田舎を思わせる。ロビーまで行ってネットする気力がなく、しばし呆然とする。

 

少し腹が減ったので、外へ出てみた。駅と反対の方へ歩いていくと、おしゃれな店が数軒ある。更には観光客用のレストラン街も用意されており、ちょうど旧正月中の中国人観光客が押し寄せていた。私はどこかでネットを繋ぎたいと思い、ちょうどあったきれいなカフェへ入る。

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ここはデリマが経営する紅茶屋さん。折角なので、紅茶飲んで、ケーキでも食べようと思ったが、何と警備員のおじさんに『ネットは繋がりにくいから、向こうの店へ行った方がよい』と言われてしまいかなりメゲル。ガイドブックにも載っているお店なのに、何という対応だ。裏から追い出されたような気分。

 

仕方なく、カフェレストランへ入ると、なかなか雰囲気がよい。スパイシーチキンサンドが滅茶苦茶うまく感じる。紅茶も本格的で、お替りしたくなるほどだった。スリランカはこうでなければ、いけない。ソファーに座り、かなり長い間パソコンを使っていたが、店員は何も言わなかった。

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宿まで帰ると、やはりロビーはかなり暗いので、部屋に引き下がる。部屋にはちゃんと電気ポットがあり、紅茶のティバッグ、更には大きなパウダーミルクまでが用意されている。ここで淹れた紅茶は何ともうまかった。熱いシャワーを浴びて、エアコンをガンガンにかけて就寝した。いい気分だった。

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2月14日(日)

散歩

翌朝はやはり早く目覚めた。日曜日だが、何となくざわついている。小さな窓の隙間からヒルトンホテルが見える。この宿の立地はやはり素晴らしい。そう思い、外へ出てみる。朝はそれほど暑くもなく、散歩に適している。周囲は植民地時代の建物が立ち並び、その中に一部新しいビルも作られている。

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コロンボフォートの歴史は古く、16世紀初めにはポルトガル人がやってきて、その後オランダが占領して、要塞を建設した。現在残る建物は基本的にイギリス統治時代のもの。フォートは植民地時代の政治経済の中心地だったが、1980年代に行政の拡大に伴い、政府機能はコロンボから新首都である、スリジャヤワルダナプラコッテに移転され、今はその面影を残すのみとなっている。フォート北部には港もあり、今でも稼働している。

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時計台のあたりから、街が少し変化する。スリランカ一の商業地区にペターに入った。ここは完全な多民族の街。ヒンズー教、仏教、イスラム教が併存しており、各宗教の寺院があり、様々な人々が行き交っている。昔のコロンボがどのような場所だったのかを、何となく垣間見た気がした。

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朝が早すぎて、どの店もシャッターが閉まっている。少し駅の方へ近づくと、野菜などを売る市場があるが、朝ご飯を食べたくなるようなものは見当たらなかった。パンが食べたかったが、甘いものか、カレー系の揚げパンだった。かなり疲れてしまい、結局朝飯も食べずに宿へ帰り、寝入ってしまった。

 

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