ダラダラ佐賀まで茶旅2015(14)佐賀 国産紅茶の博物館

9月16日(水)

佐賀散歩

翌朝はゆっくり起きた。今回の旅、久しぶりだったのと、いつもと違って電車に乗り続けたせいか、かなり疲れが溜まっていた。昨晩のチャンポンのお陰で腹は全く減らない。9時過ぎにホテルをチェックアウトし、荷物を預けて、佐賀の街を歩き始める。小雨が降っており、暑くはなく、気持ち良い。

 

駅の南側には老舗の和菓子屋などがあり、ここが古い街であることを示している。地図を見ると唐人街というのがあり、行ってみた。が、いわゆるチャイナタウンの様相は全くない。説明を見ると、何と秀吉の朝鮮出兵後、高麗人を住まわせた場所だと書かれている。異国人=唐人、ということで、この名が付いたというが、こんな唐人街があるとは、ちょっとビックリ。今やそのことを示す建物なども殆ど残っていない。

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少し行くと商店街があり、そこを過ぎると旧長崎街道に出る。街道といっても決して広い道ではない。今も道沿いには、何となくその名残が感じられ、歩いていると何となく心が広がる。坂本龍馬など幕末の志士たちもここを通って長崎へ行ったことだろう。そして歴史的な建物が見えてくる。旧古賀銀行、現在の歴史民族館、洋風の立派な建物がそこにあった。

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八坂神社を南へ少し行くと、肥前通仙亭という建物があった。そこにお茶に関する展示があるとOさんから聞いていたので、行ってみた。江戸時代、京都で名を馳せた売茶翁は佐賀出身。長崎で煎茶を学んで60歳を過ぎてから売茶の業を始め、京都鴨川のほとりに日本初の喫茶店ともいわれる「通仙亭」という茶店を出す。また茶道具を担いで、春は桜の名所、夏は清流の渓辺、秋は紅葉の美しいところへ出掛け、清明な自然の中で茶を煎じて売り、それが評判となって、煎茶の祖と言われている。

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売茶翁の顕彰会もここにある。資料が色々とあったので、見せてもらう。『煎茶の祖』と言われてはいるが、それは違うという話も聞いた。そして『売茶翁は一体どんなお茶を飲んでいたのか?』という素朴な疑問を聞いてみたが、『煎茶ばかりではない』という回答はあったものの、具体的なお茶については、文献上にはないようだった。歴史は勿論重要だが、もっと『お茶』について、検証してもよいのではないかと思う。と言っても、今更お茶の味や香り、茶葉などを見ることはできない。文献に記されているものも少ない。どうすればよいのだろうか。

 

紅葉

Oさんのお店は11時からだというので、開店に合わせて行ってみた。ここは今年2月にオープンした新店舗。まさに歴史保存区の中にあり、店舗も100年以上の歴史を持つ醤油問屋?の跡だった。天井が高く、広々とした空間がそこにある。手前には日本全国の紅茶がずらりと並び、奥はカフェになっている。カフェと言っても、まるで小料理屋のカウンターを思わせる作り。紅茶の中には、これまでお訪ねした静岡の茶農家さんのお茶などが見られ、何とも喜ばしい。ここに来れば、殆どの国産紅茶が手に入るのではないだろうか。和紅茶博物館?

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座るとOさんがさっとお茶を出してくれる。これが実に香りが豊かで、味もしっかりしている。熊本の紅茶だという。これはいい。ゆっくり味わう。Oさんは淹れる相手の好みをよく見分け、さり気なく振る舞う。私が『煎茶も東日本より、西日本が美味しく感じられ、特に釜炒り茶が好きだ』というと、『それはあなたが中国茶に慣れているから』とズバッという。確かにその通りだ。ということは、中国人にも日本のドロドロした煎茶より、すっきりした釜炒りなら好まれるかもしれない。

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お菓子がまた凝っている。シーズンということで、栗のお菓子が出てきたが、これが素晴らしく美味い。どうしてだろう?『職人さんがこだわっているものだから』ということだったが、この菓子を生み出すのには、相当の労力をかけているのだろう。更に紅茶と合う菓子を追及しているのだから、ただ美味いだけではいけない。カウンターに女性が座っていたが、彼女も菓子を提供する人だった。Oさんは常に研究し、新しいことにチャレンジしている。これは素晴らしい。このお店に来れば、そのことが実感できる。

 

バスで空港

時間は直ぐに過ぎて行き、空港に向かう時間となる。Oさんの車でホテルへ行き、荷物を取って、佐賀駅で下ろしてもらう。バスで空港に行けるというので、トライしてみる。その前に、佐賀の土産として、丸ボウロと最中を買う。これがまた何とも美味かった。歴史的な味わいだろうか。

 

案内所で空港バスの乗車場を尋ねると『免許証、持っていますか?』と聞かれて戸惑う。何でそんなことを聞くのか?まさかバスに乗るのに免許がいるのか??『現物持っていますね!』と念を押され、あと10分で発車と聞き、よく分からないまま、乗車場へ向かった。既にそこにはかなりの列ができており、すぐに乗車となる。このバスはフライトに合わせて運行されているようだ。

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40分ほどで空港に着いたが、その間、路線バスのように、市内で何か所かに停まった。ちょっと前は空港を利用する人は少なかったので、このようなバスになっているのだろうか。下車する際、何と免許証か学生証を見せるとバス代600円が半額になった。今日は『ノーカーデー』キャンペーンの日だったのだ。なるほど、ようやく意味が分かる。そしてこのような試みは悪くない、と思う。

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空港でのチェックインはスムーズ。時間があったので売店を覗くと、嬉野茶や和紅茶が沢山売られていた。初めて乗る春秋航空のフライトは順調で、1時間半乗るだけなら、特に何の問題もなかった。僅か1000円のチケットに大満足。日本の空も大きく変わったことを実感した。ただ成田では第3ターミナルが出来ており、第2の電車の駅まで歩くのが大変だった。

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