静岡のお茶を訪ねて2015(1)静岡 茶町KINZABURO

《静岡茶旅2015》  2015年3月19日-20日

 

先日の日曜日、思いがけずも静岡に行った。それは偶然だったが、今回は元々予定していた旅である。昨年知り合った茶農家、川根のMさんを訪ねることにしていたのだ。そして幕張Foodexで知り合った中国人留学生が何と静岡大の人で、案内を買って出てくれた。今回は静岡をお茶以外の角度からも見てみようとしたのだが、直前になり彼女は都合が悪くなってしまった。さて、19日はどうしよう。まあいつものように行きあたりばったりだな、こりゃ。

 

3月19日(木)

1.藤枝

藤枝まで

実は先日静岡に来て以降、日本茶の歴史にとても興味を持っていた。東京まで送ってもらったすーさんに『日本茶の歴史を研究している人、知りませんか?』と聞いたところ、『それは静岡のYさんでしょう』と言われた。そのYさんは確か、私が1月から連載を始めた月刊『茶』に執筆していたので、名前は知っていた。そしていつの間にか、FBでもお友達になっていたので、思い切って面談をお願いしたところ、ランチを一緒にという喜ばしいご返事があった。

 

それで12時前に藤枝へ行くことになった。昨年静岡駅まで新幹線を使わず在来線で行った経験があった。高い料金ももったいないし、時間もあるしで、今日も在来線で行く。東京の家を午前7時に出て、京王線、井の頭線、小田急線と乗り継ぐ。平日の下り電車、それほど混んでいないかと思ったが、途中まで座れなかった。日本はどこでも人が多い。

 

小田原から東海道線で、熱海まで、そして更に乗り継ぎ、静岡を越えて藤枝まで行った。この辺まで来ると電車の網棚の横の広告が殆どなかった。何となく寂しい!小雨が降り続いていた。11時過ぎには藤枝に着いてしまった。そういえば日曜日も藤枝のマーケットに来たのだが、車で連れて行かれたので、位置関係は皆目わからない。駅の近くに泊まることにしていたので、そこに荷物を預けた。藤枝の駅前は、それほど店もなく、何となく閑散としていた。サッカー日本代表の長谷部選手の出身地、とうことでポスターが張られている。駅にあるドトールでしばしネット。

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Yさんと

雨の中、Yさんはバスでやって来てくれた。Nさんも一緒だった。ドトールと反対側の駅の出口を出て、食堂に入る。お刺身、フライ、煮付けなど、すごく立派な魚定食が登場し、お話しもそこそこに食べ始める。実はYさん、私のことは殆ど認識がなかった。認識がないのに、よく会ってくれたなと思うのだが、一時の気の迷いかもしれない。

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YさんもNさんも東京の人だが、今は仕事で静岡にいる。Yさんは煎茶道をやられている方で、実に上品。そしてお茶処静岡でもお茶関係者の間で有名人。お茶に関する講義を大学などでしているという。専門は近世のお茶史。本当は色々と伺いたかったが、悪い癖で自分のことを説明している内に時間が過ぎてしまい、歴史の話は次回に持ち越した。どうやら歴史に関する資料などを纏めているグループがあるようなので、次回はそちらにお邪魔したいと思った。

 

2.静岡

茶町KINZABURO

食事中、Nさんから、静岡市内へ行くなら面白いお茶屋さんがあると聞き、藤枝駅から電車に乗って向かう。静岡駅には何度か来たことがあるが、実は市内を歩くのは初めて。駅前のメインロードをまっすぐ歩いていくと、居心地の良さそうな本屋があったり、カフェがあったり、他の街とそう変わらない作りだった。

 

だが、更に歩いていくと、商店街が終わり、傘を持つことになる。そしてまばらにお茶屋さんが見えてくる。何と銀行クラブもこの辺になった。どうやらその昔、この辺はお茶で栄え、静岡の中心だったようだ。そのほぼ真ん中頃に目指すお店があった。茶町KINZABURO。元々茶問屋さんであるが、斬新な改造が行われ、1階はお菓子とお茶を売る店舗、そして2階は憩いのスペースになっていた。

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ここの名物、茶っふるは、店主である前田富佐男さんが、自ら焼くワッフル。そこに季節に合わせたお茶が入っている。1個100円台と手頃であり、また2階に持って行った食べることができる。そしてその2階、何とお茶が無料で飲める。しかも何種類ものお茶が置かれ、様々なお茶が味わえる。これなら気楽にお茶を試飲でき、喫茶感覚で店にも立ち寄れる。

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前田さんによれば、台湾のテレビ局の取材に対応し、それがテレビで放映されたため、台湾人が多くやって来て、前田さんを見つけると笑いかけて来るという。他の外国人もここを目指してやってくる人が出始めており、新しい予感がする。『お茶を従来のように売っていても進歩がない』という前田さん。新しいお茶屋さんの感じを先取りしていたアイデアマンであるようだ。

 

2回の奥には畳の部屋もあり、地元の小学生が集まって、共同制作か何かをやっていた。人がお茶屋に集まる、ということはとても大切なことだと思う。特に若者、子供たちがお茶に日頃から慣れ親しむことは極めて重要。前田さんの試みがどのような結果になるかは先の話だが、このようなチャレンジは素晴らしい。

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