《広東茶食旅(広州・潮州・深圳)2025》(3)十三行博物館からデジタル茶淹れ機械へ

3月16日(日)十三行博物館

今朝はだいぶ調子が良い。ただ何となく寒い。宿の中はそうでもないが、外は結構風もある。今日は先日東京の銀座で会った陳さんと会うことになっていた。陳さんは温州出身と聞いていたが、なんと家族は広東省におり、ちょうど里帰りしていたので、広州で会うことになった。

待ち合わせ場所は広州十三行博物館。彼女は茶歴史を研究しており、茶貿易についても興味があるという。博物館内では、買弁についての情報を探していたが、よく考えてみれば十三行は洋行ではなく、洋行に売込む中国企業であり、ある意味で彼らは官僚なのだ。そして洋行で実務を仕切るのも、ここから送り込まれているのだろう。マカオや珠海で出会った宝順洋行の買弁はアヘン戦争後に洋行が直接雇うことを認められた人々だった。

この博物館には8年前に来たと思うのだが、2階にはその時なかったお宝の展示があった。どうやら収蔵家が自らのコレクションをここに置いているらしい。そういえばマカオの鄭家の子孫も自らの先祖について色々と発表し、その功績を広めていると聞いた。「買弁は売国奴」という概念は薄れたのだろうか。

博物館の近くには、川沿いに100年前に建てられた旧税関の立派な建物があった。この川沿いで十三行が貿易をしていたのだろう。宝順洋行の場所の書かれた地図も博物館にあったが、その場所もこの辺だろうか。近くの橋が目印か。でも人民橋って書いてあるな。そんなことを考えていると、陳さんは近所のおばさんに「広東の地元麵屋」を聞いている。

私が「広東には日本の広東麺のような麺はあるのか」と話していたら、彼女はそれが気になっていたらしい。おばさんはわざわざ店まで案内してくれた。おじさんも「これが広州の麺だ」と胸を張ったが、それはワンタン麺だった。そしてついでに広州焼きそばも作ってくれた。これらは美味しかったが、あんかけ麺ではなかった。

そこから車を呼び、またまた芳村方面へ向かい、陳さんが紹介されたという人物を訪ねた。そこは昨日までの芳村茶市場からは少し離れており、ちょっとオフィス街のように見えた。目指すお茶屋さんが見付からず、まごつく。やはりお茶屋さんというより会社のオフィスのような場所に辿り着く。入口に万里茶道の地図が描かれているのがちょっと不思議。

この会社のオーナー李さんは、30年ほど前に茶業に入り、様々な茶葉を扱ってきたが、10数年前からは雲南でプーアル茶を生産しているという。だがいま彼が力を入れているのは、デジタルサーバーで、簡単にお茶を淹れる機械の開発だった。実際彼はいきなり大紅袍のミルクティーを作り始めたので驚いたが、それは機械ではなく、手作りだった。ただ非常に美味しかった。

李さんは茶葉・薬剤などを含めて様々な材料を小さなパックに詰め、それを機械に放り込み、温度などの条件のボタンを押してお茶を淹れている。これなら確かに極めて簡単だ。李さんの主張は「標準化」。誰が淹れても一定の味になるように淹れられる機械ということだ。茶藝のような技術とは異なり、ティスタンドなどで重宝される機械ではないか。これがもし流行れば世界は変わっていくかもしれない。

陳さんはここから直接実家に戻るという。今や中国では100㎞以内なら、長距離バスに乗らず、指定先まで数名を乗せていくシャトルサービスがあると言い、それを予約するとすぐにやってきて驚く。料金はバスとあまり変わらず、便利になったものだ。そういえばベトナムでもこんなサービスがあったのを思い出す。

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