ハノイ茶旅2023その2(2)ベトナム華人の話しで盛り上がる

まあ歴史談義はどこまでも続いて行くということだろう。適当にカフェに入ったら、すぐに店員が外の椅子を片付け始めた。オーナーらしい男性が我々に向かい『ポリス』と話し掛けてきた。何だか懐かしい路上取り締まりの光景だ。ただ実際にポリスが来ることはなかった。コーヒーを飲みながら話しはゆっくりと、しかしどんどん広がっていく。

昼間になり、近くの酒家に移動する。ここは広東系レストランだと言い、粥麺や飲茶などで人気の店だった。Iさんが予約してくれなければ、とても入れなかっただろう。店員からも広東語が聞こえてくる。Iさんは華人研究などをしているので、この辺りの話は専門家だ。私は来年ベトナム華人の歴史を勉強したいと考えており、彼に色々と聞いてみた。『カントーを拠点に歩いてみるのがベトナム華人研究ではお勧めだ』とのこと。ホーチ民からも離れたその町へ行く、そのチャンスはあるだろうか。何とかNさんを巻き込まなければなるまい。

腰片湯麺などという珍しいメニューがあり思わず注文する。腸粉や焼売もオーダーして、美味しく頂く。何となく懐かしい味がするのは気のせいだろうか。食後は横のカフェに移動して時間一杯まで話しを続ける。ベトナム華人の歴史もまた話が尽きない。かなり複雑だ。来年また来て話そうと思うが、果たしてどうだろうか。

そこからGrabを呼んで、少し離れた場所に向かう。午後は前回突如再会した蔡君が開いたという茶空間を訪問した。驚くほど立派な郊外の有名なマンション群の中にそれはあった。まだ正式オープンでもないらしく、ようやく用具が並べられただけのシンプルな空間がそこにあった。それはそれで実に蔡君らしい感覚だと思う。

ここで台湾茶やベトナム茶を淹れながら、茶文化をベトナム人に発信していく予定らしい。将来を見据えた投資の始まりだろう。お茶屋さんをやるわけではなく、ベトナムの若者と共に茶についての勉強を続けていくという。何ともいい空間だが、果たしてベトナム人にどこまで響くだろうか。

サロンを辞して、MRTの駅へ向かう。周囲は新しく開発されたようで、きれいなのだが、何となく味気ない雰囲気が漂う。その向こうの川の周辺は正直きれいとは言い難いが、これがベトナムっぽいと思ってしまう。夕方のラッシュ時、何とか車とバイクをよけながら、駅まで辿り着く。前回来た時乗った路線だが、ここへ繋がっているのか、という感じ。郊外の住宅街を走っていることがようやく分かってきた。残念ながら帰宅時間だが、乗客は多くはない。

終点のカットリン駅で降りて、歩き出す。方向を間違えてしまい迷っていると、何だかとても明るいレストランがあった。いわゆるインスタ映えするスポットだが、食べている客はいるのだろうか。宿まで辿り着く前に腹が減ってしまい、適当な麺屋に入り、適当に注文してみた。よく分からない麺が登場したが、たくさん入っている具が意外と美味しく頂けたのは良かった。衛生的な店というのもポイントは高いかな。今やハノイの麺の価格は最低5万ドンになっている。

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