ベトナム縦断茶旅2017(10)ニャチャンを歩く

4. ニャチャン
ホテルを値切る

この辺に安宿は一杯あるようだったが、折角ビーチに出てきたのだから、海の見える部屋でゆったり過ごしたいと思い、ビーチの方に歩いて見た。すると道路脇にちょっと立派そうに見えるが、結構古そうなホテルがあった。こういうところが狙い目ではないかと思い、料金を聞きに入る。

 

聞いてみると朝食付きで1泊60ドルぐらいだった。昨晩が10ドルちょっとだから、かなりの飛躍になる。もうちょっと安くならないか、と聞いてみると、何となく5ドルぐらい下がったが、やはり高いと思い、近所のホテルを探しに行く。その裏のホテルはきれいそうだったが、はるかに高かったので面倒になり、最初のホテルに戻った。大汗をかいて戻ってきた私を見て、フロントのおじさんが『1泊50ドルにしてあげる』と優しくしてくれた。

 

部屋からはビーチも見え、広くて明るくてよい。気に入ってしまった。クーラーを掛け、冷たい水を飲めば、気分は爽快だ。ビーチはかなりきれいで長い。思わず暑いにも拘らず、ビーチを見に外へ出た。だがまずは腹ごしらえ。焼肉ご飯を食べる。これはいつ食べてもうまい。

 

それからわき道に入った。そこには漢字も沢山表記されていたが、それ以上にロシア語が使われていて驚いた。旅行社を覗き込むと、何とロシア系と思われる男性がいた。英語、ロシア語対応要因だ。歩いている観光客もよく見えればロシア人らしい人が多い。いや、思い出してみると、3年前にカザフスタンに行った時、バンコックからまずホーチミンに飛び、そこで乗客を拾ってアルマティに向かったが、その乗客はニャチャンビーチに行ったと言っていた。

 

そう、ここはロシア及び中央アジアの人々に人気の観光地だということを確認した。ホテルの部屋のベランダにも、『洗濯物を干すな』という表示が中国語とロシア語で書かれていた。それほどまでに観光客が多いのだ。きっとビーチに寝ころんでいる人々も北の方から来たのだろう。

 

ついでにホーチミンへ行くためのバスチケットを買おうと思い、シンカフェの事務所を探す。これは沢木耕太郎が15年ぐらい前に『一号線を北上せよ』という本を出し、その中でホーチミンからハノイまで、キムカフェのツアーバスを使って旅するのだ。私はこれに乗りたかったが、キムカフェはトラブルが多そうだったので、一番メジャーなシンカフェで行きたかった。

 

だがシンカフェのオフィスは見付からない。暑さはどんどん増していく。一度宿に戻って出直そうと帰りかけると、そこにハンカフェという文字が見えた。確かこれも沢木の本に出て来たなと思い、中に入ってみる。するとちょうどよい時間バスがあったのでその場で購入してしまった。ここはホテルから近いので、移動の不便もなく、ちょうどよい。僅か22万ドンでムイネー経由ホーチミンまで行けるのだからすごい。

 

それから気を取り直してビーチにも行ってみる。砂が凄く熱い。ビーチはきれいでパラソルがリゾートだった。白人が非常に多く、一部は肌の露出が激しく、ヌーディストビーチのように見えた。こんなところにカメラを持って入り込めば、トラブルになりそうだったし、何より暑かったので部屋に帰った。

 

ニャチャン散策
夕方を待っていたが、夕日は一向に落ちない。仕方なく、散策に出掛けた。まだ何となく暑かったが、構わず歩く。ビーチは人で賑わっていたので、反対方向へ向かう。丘の上に教会があるようだった。だが下で止められてしまう。開門時間が限られていたのだ。残念。また明日来よう。

 

その先にはニャチャン駅があった。先日のダラット駅とは違い、駅舎は比較的新しく、こちらはちゃんと使われているようだったが、いずれにしてもベトナムの鉄道は時間が掛かり、バスの方が早いと思う。その横には日本製品を扱う専門店があった。日本もベトナムでは人気のようだ。

 

更に歩くと隆山寺があった。ここは先ほどバスから見えたので、来てみたいと思ったところだ。1889年創建というから、フランス時代の初期だ。本堂に行くと、ちょうど掃除中だった。団体がやってきて、横の階段を登り始めたので、何となく付いていく。因みにこの団体、英語ツアーの参加者のようで、国籍も宗教もバラバラのようで、なかなか面白い。中腹に寝そべる仏像を発見。息が上がりながら登り切ると大仏が鎮座していた。ここからニャチャンの街が一望できた。夕暮れが美しい。

 

既に暗くなっていた。どこかで夕飯を食べようと思い、歩いて行くと、街角で人が沢山いる露店があった。見ると鶏肉を大鍋で茹でていた。何とも美味しそうで、おばさんに呼び込まれて、つい席に着く。学校帰りの学生や女性が多く食べていたので、何となく安心できた。こういう店は安くてうまいのだ。その経験則は完全だった。チキンライスから鶏のスープまで非常に美味い。実は向かいにも同じもの出す店があったが、こちらに客はいなかった。やはり美味いのだ、この店は。面白い。

 

フラフラと夜のニャチャンを歩き、宿に帰った。今日はフカフカのベッドで寝られると喜んで、早めに休むことにしたのだが、夜10時を過ぎると、何と階下のディスコの騒音が3階のこの部屋まで聞こえてくる。そういえばカジノもあるのだ、このホテル。おまけになぜか、虫に噛まれて痒い。折角高い?部屋代を出したのに。明日は出て行こうか。

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