ベトナム縦断茶旅2017(7)ガウダットで酔いつぶれる

11月14日(火)
朝の茶摘み

朝早く目覚めた。鳥の声もするが依然として音楽が響き渡り、作業が続いていた。本当に一晩中だから、大変だ。今日も天気がよいので、ちょっと散歩がてら、工場外に出てみる。そこには茶畑が広がっており、若者が4人で、茶葉を刈る準備をしていた。見れば日本製の中古機械。2人で刈るところ、4人で刈っており、効率が良いとは言えないが、人件費に負担が無ければ、この方が沢山刈れるのかもしれない。

 

部屋に戻ると、朝ご飯に麺が用意されており、皆で食べる。呉さんは相当疲れているようだが、食べないと体力が持たない。食後、もう一人のここの客人、張さんとお茶を飲む。彼は雲林の茶商で、ここに茶葉を買い付けに来ていた。聞けば、これまでタイ北部やベトナム北部にも何度も行っており、茶作りの指導をしながら、茶葉を買い付けてきたらしい。こういう人が台湾茶の製法を広めているのか、と非常に興味を持つ。今度雲林に彼を訪ねてみたいと思う。

 

朝摘まれた茶葉が運ばれてきた。日差しが強いのか、上の部分に覆いをかけている。かなり大規模だ。その光景が風景の中で何とも映えてきれいだった。昨日私を空港に迎えに来た人がトラックに乗ってやってきた。いよいよここともお別れだ。呉さんは部屋で寝込んでおり、記念写真も撮らなかった。バオロックへ行くという張さんも一緒に車に乗り込んだ。

 

ガウダットで酔いつぶれる
今日はもう一軒、紹介されている台湾人を訪ねることにしていた。こことは全く違う方向ということで、ダラットの街まで送ってもらい、そこからタクシーを拾うことにした。約1時間でやってきたダラットの街は、やはり高原の避暑地の感じがした。タクシーはすぐに捕まり、運転手に行き先を告げてもらい、彼らと別れた。果たしてちゃんとつくのかちょっと不安。

 

高原を上って行くが、今度の道は良かった。タクシーは結構スピードを出している。30分ぐらい走ると、車は横道に入り、すぐに工場の敷地内に入って停まった。門番に取り敢えず中国語を使ってみると、すんなり通してくれた。中から韓さんが出てきて迎えてくれた。こちらも台湾から来て20年、ここで茶業をしている。

 

まずは昼飯を食おう、と言われる。こちらの奥さんもベトナム人だが、出てきた料理を見てびっくり!からすみあり、たこ焼きあり。ここはどこだと思ってしまう。隣人の台湾人、張さんが合流すると、『酒を飲もう』となり、ウイスキーをロックでぐいぐい飲み始める。私にも少しだけ、と言って注がれてしまい、ちびちび飲んでいたら、これが効く効く!標高1600mの高地で、久しぶりの酒、それもかなりの濃度だからたまらない。

 

取り敢えず昼寝しよう、と言われ、部屋に案内され、バタンキュー!完全に熟睡してしまう。ふと気が付くと、周囲は暗くなっており、既に夕方だ。4時間ほど寝入ってしまっていた。茶旅を長くやっているが、茶工場まで来て、何も見ずに午後を過ごしたのは恐らく初めてだろう。何という失態。だがすでに外は真っ暗で茶畑にも行けない。工場作業も終了したようで、後悔しても後の祭り。今日はここに泊めて頂くことになる。

 

少し経つと韓さんが『行くぞ』と言って、車を出す。先ほどの張さんの家で夕飯を食べるというのだ。これでは何のためにここまで来たのか分らない。ただ食べているだけだ。車で5分ほど行くと、韓さんの自宅があった。基本的には工場に寝泊まりしているので、こちらに帰ることは少ないらしい。立派な家だ。その横に張さんに家があり、こちらも立派だ。

 

中に招かれると、ここがベトナムの山の中か、という豪華な内装。バーカウンターまである。張さんは花の栽培で成功しているという。部屋には胡蝶蘭なども飾られている。日本向けには百合を出荷しているとか。張さんは先日病を患い、今は歩くのが少し不自由だが、元気そのもの。『台湾に帰っても煩わしいだけだ。一生ここで暮らすよ』と屈託がない。確かにこの絶好の環境とビジネスがあれば、楽しく暮らせそうだ。台湾に戻る必要などないだろう。

 

牛筋の煮込みなど、うまい料理が出てきた。韓さんと張さんはまた酒を飲み始めたが、さすがに私は遠慮した。高級ワインなども出てきて、賑やかな夜だった。華人かくあるべし、という雰囲気が出ていた。二人ともベトナム語を話し、現地に溶け込み、奥さんやその家族とうまくやって、ビジネスを成功させている。

 

11月15日(水)
花農園

午睡をあれだけしたのに、午後9時にはまた熟睡した。高原の環境と酒の影響だろうか。翌朝はさすがに5時台に起きたが、周囲は完全に霧に覆われていて、視界はない。雨も降っているようだ。6時には皆で麺の朝ご飯を頂く。昨日もそうだったが、やはり朝は麺、なのだろうか。具がかなり豪華だった。

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