突然の深圳・香港旅2016(3)香港茶荘巡り

また1時間かけて地下鉄で宿へ戻る。まあ1時間乗っても料金は至極安いので、時間があって金がない者には助かる。日本の交通費、何とかならないのだろうか。夜はまた裏通りへ向かう。結構冷たい風が吹いており、11月の深圳としては涼しい。今晩は暖かい黄燜鶏米飯を食べる。

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鍋にとろ火で煮込んだ鶏肉にピーマン、野菜が入っている。鶏が柔らかいのが好きだ。これとご飯というシンプルな組み合わせだが、味が濃いのでご飯が沢山食べられる。18元。しかし数年前までほとんど見たこともなかった食べ物だがルーツはどこに。山東省らしいと言われたが、山東省にあったかな?

 

119日(水)
香港へ

翌朝は早起きして、香港へ向かった。深圳にいてもやることがないので、先月いなかった茶縁坊を訪ね、何とか秋茶を手に入れようという腹である。いつもなら羅湖へ行き、辺境を越えるのだが、今回は折角なので新しいルートにチャレンジする。新しいと言っても私が使ったことがないというだけで、今やこのルートが定番だと思われる。

 

地下鉄4号線で福田へ。そこの上にはイミグレがあり、すぐに中国を出境できる。羅湖より歩く距離が短く便利だ。香港へ入国すると、そこには落馬洲の駅がある。これは上水で羅湖行きと別れた線だ。今や香港人で深圳北駅から高速鉄道に乗る人などはこの福田を使うととても速い。

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イミグレも混んでおらず、順調に列車に乗り込む。前回はホンハムからバスに乗り、失敗したので、今回は九龍塘で乗り換え、旺角、中環で地下鉄を乗り継ぎ、上環まで確実に向かった。それでも結構時間が掛かったのは、乗り換えなどの位置を完全に忘れてしまっていたからだろう。香港はどんどん遠くなっていく。

 

3. 香港
茶荘巡り

とにかくまずは茶縁坊へ向かう。ところが、ところがまさかの、閉まっていた。これまで一度もなかったことが2回続けて起こっている。ここまで来ると、何かが起きたのかもしれないと心配になるが、先月同様携帯のシムを用意しておらず、連絡を取ることも出来なかった。仕方なく、フラフラ歩き出す。ちょうど10月に訪ねた安渓西坪で堯陽茶行の故郷に出会ったことを思い出し、店へ行って見た。だがオーナーも顔見知りの番頭さんもおらず、おばさんに聞いても埒が明かない。

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オーナーは午後返ってくるよ、と言われたので、もう少し上環で粘ってみようと思ったが、ちょうど前日FBで小倉の辻利さんが、IFCに出店したのを見たので、ほんのちょっとお店を覗きに行くことにした。トラムが来たのでそれに乗り込む。懐かしい。未だに2.3ドルか、頑張っているな。

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そしてセントラルで降りてIFCまで歩き、お店を探したが、すぐには見付からない。それが香港らしい。ようやくディレクトリーを見て、場所を確認。お店の横には開業の花が並んでいた。ほうじ茶30ドルなどとあったが、その横にIFC限定サンデー、78ドルが燦然と輝く。食べてみたかったが、何となく気後れして、お店に入れず。次回に持ち越した。

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ふらふら歩いて上環に戻ると昼も過ぎていた。いつものように市場の上の和食屋へ行き、定食を食べる。おばさんはいたが、日本人のKさんは不在。相変わらずランチは安く、勧められた焼き魚定食でも45ドルとお得。お客さんは定期的に来る常連が多いようで、日本人もいた。

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堯陽茶行に戻ってみると、顔馴染みの王さんがいたので、西坪の話をしてみると驚いていた。彼のお父さんもあの日塞と呼ばれていた要塞の出身なのだった。といっても堯陽が香港に出てきたのは、1930年代、それから長い月日が流れ、今やそれほど往来はないという。因みに台湾にも枝分かれしたが、こちらも今や関係はないという。ここで出されるほうじ茶のような鉄観音が、昔を忍ばせる。

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そして念のため茶縁坊へ戻ってみると、ついに灯りがついていて息子がいた。やった、と叫びたいのを堪えて中に入る。聞けばやはり先月、めでたいことに彼に子供が生まれていたのだ。高さんも孫の世話に忙しく、また息子も子供を病院へ連れて行くなど、店を開けられない時間が増えていたようだ。

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知らせを聞いて高さんも駆けつけてきた。しかし張さんは秋茶を作らなかったというのだ。結局ここでも手に入らなかった。もう張さんのお茶は手に入らないかもしれない。何となく寂しさがこみ上げてくる。そういえば、家には数年前のお茶が少し残っている。そう話すと『それを香港に持ってこい、焙煎してあげるから』と言われたので、次回はそうしようと思う。

 

1時間ぐらいで上環を離れた。後は数年顔を出していない、茗香茶荘に行って見ようと考える。九龍城には、旺角まで地下鉄に乗り、そこからミニバス。だがミニバスの乗り場の位置まで思い出せない状態だった。何とか乗り込み、7ドルを払う。後は懐かしい道をひた走る。

 

お店に行くと、お父さんが奥に座っていた。向こうも何となく見覚えがあるな、という顔で出迎えてくれる。ここは潮州系だが、観音茶王という美味しい鉄観音茶を販売している。店の奥で焙煎しているものもある。『今は安渓に行ってもいいお茶は手に入らないよ』と一言で片づけられてしまう。息子のマイケルとは少し昨今の景気について話したが、あまり良いことはないようだった。

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