苦難の台北散歩2016(3)昔を懐かしむ

4.台北2
久しぶりの茶荘で

宿で少し休む。夜はTさんと会うことになっていた。Tさんとの出会いは25年前の台北。彼は駐在していた私の家を探してくれた。お互い若かったな。彼は長らく台湾にいて、それから上海へ。そして何とイスタンブール、モスクワを経て、つい最近台北に戻ってきた。何ともダイナミックなキャリアを持つ人材。東京では何度も会っていたが、台北で会うのは何とも久しぶり。

 

彼は私の宿まで来てくれた。その昔はお互い慣れ親しんだ場所だ。それから食事に出掛けた。何だか昔来たことがあるような路地裏の食堂。日本人も利用しているようだ。牡蠣と油条が美味しい。炒め物も何だか生きがいい。二人では食べ切れないほど、頼んで食べた。いいな、こんな食事。

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そして宿に戻りながら、Tさんが、『新純香へ行きましょう』という。このお茶屋さん、10年以上前はたまに行ったお店だったが、最近は完全にご無沙汰だ。Tさんは日本からお客さんが来るとここを紹介していたらしい。お店は何となくきれいに整理された感じとなっている。入っていくと、日本人観光客が何組もお茶を買うための試飲をしていた。本当に今の台湾は日本人観光客が多い。こんなに日本人を見かける海外は台湾ぐらいではないだろうか。

 

オーナーの王さんと話す。何とこのお店をずっとやっていた王さんのお母さんは4年前に亡くなったと。私はそれほど親しいわけではないが、とても残念に思う。この飲み屋街のど真ん中で何十年にも渡って店を切り盛りするのは色々と大変だっただろう。今や娘の王さんが頑張っている。このお店はお茶の種類も豊富だが、パイナップルケーキやお茶請けが美味しいと人気である。日本語で対応してくれるのも有難い。

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王さんのご主人は日本語の翻訳などもやっているということで、様々なお茶にまつわる話を紹介したいという希望を持っている。私も茶旅について 様々な国の事情についてお話した。台湾の人々はどのようなことに興味があるのか、王さん夫妻は流ちょうな日本語で教えてくれた。我々が話している間にも日本人客はどんどん入ってきて、ちょっと試飲してお茶やお菓子を買っていく。スケジュールぎっしりの旅、楽しいのだろうか。

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9月30日(金)
図書館で調べもの

翌朝は起き上がれなかった。やはり前日の疲れが重くのしかかっていた。台湾ではケーブルテレビが発達しており、その中には日本チャンネルがある。日本の最新ドラマが字幕付きで放映されている。朝ドラ『とと姉ちゃん』は日本で放映が終わったばかりだが、既にこちらでは始まっている。またスポーツチャンネルも充実しており、メジャーリーグも日本のプロ野球も見ることができる。午前中はテレビを見て休む。

 

朝ご飯も食べず、部屋からも出なかった。昼は近所に住むBさんが来てくれて、一緒に麺を食べる。昨晩も食べ過ぎでたのに、なぜか大盛を頼んでしまい、腹がパンパンになる。その後、横に移動してカフェラテを飲みながら話す。この路上にテーブルを出すコーヒー屋さん、今の台北の流行りだ。Bさんはこの5年間、様々なことに挑戦しており、更に挑戦していこうとしている。私は同じようなことの繰り返しになってきている。常に新しいことを目指すのか、一つのことをしっかりやっていくのか、迷うところだ。

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午後は珍しく国立台湾図書館へ行く。ここは5年前に一度調査に来たことがあったが、中和にある、という以外、何も覚えていなかった。調べると南勢角線永安市場駅で下車するとある。駅前に出るとおぼろげながら記憶があり、図書館までは簡単に行けた。実はこの図書館、日本時代の資料が大量に保管されている。6階にその蔵書があるというので行ってみる。

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6階には人は殆どいなかった。係りの人に、どのようにすれば閲覧できるのか、と聞くと、彼女は日本人対応に非常に慣れていて、『どのような内容をお探しですか』と聞き、テキパキと検索してくれた。そしてお茶に関する本があるコーナーまで連れて行ってくれ、台車まで出してきて、『ここに本を乗せて彼方で読んでください』と実に親切だった。私が外国人だとうことはあるだろうが、こんな親切な図書館、これまで出会ったことはない。

 

更にどうしても調べたい人物と会社を探していると、『それではこの新聞のサイトから検索しましょう。恐らくこの手のものは新聞が一番です』と言って、自ら検索してくれた。記事が見付かると、『ここを押すとプリントできますよ』と。実際の調べ物の成果は芳しくなかったが、このサービスには感心する。日本にはこんなこと、有るのだろうか。いつもは憂鬱な調べ物が、気分よくできてしまった。

 

夜は昨日のTさんと待ち合わせて、最近台北に赴任したSさんにところへ行く。宿から彼のオフィスまで歩いて20分、昔の我が家の近くを通り、昔の取引先、昔なじみの人のオフィスの脇も通り、ロイヤルホストやモスバーガーの誕生秘話?に話が及ぶ。最近の台湾しか知らない人には言っても分らないことがTさんと話すと、いくらでも広がっていくから面白い。

 

Sさんにご飯をご馳走になる。Sさんは北京時代の知り合いだが、香港にもご縁が深く、共通の話題がいくらでもある。彼が台北に来るとは思っていなかったが、恐らくはここでは彼の力が発揮されるだろう。その時にはTさんが役に立つかもしれない。何となく楽しみだ。

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