ミャンマー激走列車の旅2015(10)恐怖のゴッティ橋を渡る

7月28日(火)
ティボーヘ

翌朝は3時に目覚ましが鳴った。だらだらと起き上がり、トイレに入る。すぐにチェックアウトだ。S氏は駅前の灯りを見て、ティミックスを飲んで行こうという。確かに今日もまたあの揺れかもしれない。揺れないうちに飲み物を飲んでおくのは良いと思う。こんな時間にも客がいる。ということは、我々と同じ列車に乗るのだろう。どうやってここまで来たのだろうか。本当に駅前で助かった。

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ホームに行くと、列車は3時40分には入線してきた。何と今回も定刻発車だ。素晴らしい。車内に入ると座席だった。今日は昼間の運行であり、寝台である必要はない。だが、あの座席を見ると悪夢が蘇る。虫に食われる、と体が座るのを嫌がってしまう。気分的に痒くなってくる。どうしたものだろうか。乗客は多くはない。アッパークラスは1両だけのようだ。オーディナリークラスは木の椅子だった。あっちの方がいい、と思ってしまうが、ずっと座っていると、お尻が痛いんだろうな?

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真っ暗の中を列車はゆっくりと走り出した。席に着くとすぐにウトウトしてしまう。揺れにもかなり慣れてきた。1時間半ぐらい経った頃、少し明るくなり、そして駅に停まった。人々が降りて行ったので付いていくと、皆が朝ご飯を買っている。私とNさんもどうしようかなと迷いながら、最終的にその焼きそばに手を出した。ところが買っている最中に、発車時間になったようだ。ちょうどお金は払ったが、肝心の焼きそばはこれから袋に入れられようとしていた。どうするんだ、とにかくここに取り残されるのは、良くない。その時、車掌が『お前らは先に乗れ!』と叫んだようだ。その声ですぐに車両に駆け上がった。

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それからどうなったのか、焼きそばを諦めようとした頃、なんとあの車掌が袋を持って現れた。焼きそばを受け取り、オーディナリークラスの車両に飛び乗ったらしい。何ともスゴ技。お陰で朝飯にあり付いた。何となくおいしく感じられるのは、それだけ努力したからだろうか。それからまた寝た。乗客のほとんどが寝ていた。暑くもないし、ちょうどよい気候だった。有り難いことだ。

 

高原列車は行く、という感じだった。畑もあるが林もある、そんな景色が過ぎていく。外が明るくなり、線路の座り込んでいる人が見えるようになってきた。トイレもうまくいき?気分も快適になってきた。8時ごろ、メミョーに着いた。この駅は大きな駅でかなりの時間停まっていた。片方では貨物を積み込んでいた。もう片方では車両を連結したらしい。なんとその車両は同じアッパークラスだが、格段にきれいだった。そしてさすがメミョー、外国人観光客が大勢乗ってきた。基本的に観光する人はマンダレーから乗るのではなくここから乗るのだ。

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駅舎もなかなかいい感じだった。駅前にはなんと馬車までいた。昔TTMと一緒に夜道を馬車に乗ったのを思い出す。ここには過去2回、いや3回来ているなじみのある場所だった。駅舎内の時刻表には『7:52 Guess』と書かれていたのが印象的。我々は本当に運良くここまで鉄道旅を遅れなく行ってきたのだとわかる。ホームを歩いていると、何とお茶売りがいた。その女性は大きなやかんを持ち、更には空のペットボトルを持っていた。何とお茶をペットボトルに入れて売っているのだ。これだと揺れても問題ないので買ってみた。100kと安かったが、味は意外としっかりしており、ずっと飲み続けられた。何とも嬉しいお茶サービスだ。

 

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30分以上停まっていた列車が突如動き出した。それからは比較的畑が多い地域を走っていた。豊かさが感じられる。11時頃に停まった駅で弁当を売っていたので、買い出しする。決して揺れない訳ではなかったが、やはり体が揺れにかなり慣れ、食欲もあった。駅のテーブルでは子供が勉強をしており、子犬が横で転がっている。何とも平和な雰囲気だった。今日は陽が出ていないのでそれほど暑くはない。

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少しすると、あのゴッティ橋が見えてきた。世界で2番目に高いところに架けられた橋として有名で、基本的に観光客はこの橋を列車で越えるのが楽しみになっている。これまで何度か車で通りかかり、この橋を眺めたことがあるが、列車から見るのは初めてである。段々橋が近づいてくる。ゴッティという名の駅まであって、少し停まる。そしていよいよ橋に差し掛かる。橋の湾曲した部分で列車の曲がりが分かる。滝から落ちる水、森林、何とも絵になるのだろうが、正直高所恐怖症の私にとっては、下がよく見えてしまうので、写真を撮るのも怖かった。それほど楽しいものではないな、と途中から席に引っ込んで休む。

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橋を渡り切り、少し行った駅でもう一つの車両に乗っていた外国人が大量に降りたらしい。完全に橋目的の乗車だった。確かにこんなに遅い列車に乗っているより、車に切り替えた方が効率は良い。ガイド付きのような旅ならこうなるだろう。それから2時間して、チャウメイに着いた。ここにも何回か来ている。駅でもお茶を売っている。ここはお茶の集積地だ。私は串に刺さった焼き鳥を買った。列車が停まっている間に店仕舞いして帰っていく人もいた。他の予定があるのだろうか、それとももう売れないと判断したのか、非常に手際よく去っていく。

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