北京寄り道散歩(3)表現できない違和感

スタバで李さんと

昼は過ぎていたが、何だか中途半端だった。今日の午後は休みのはずだったが、昨日のセミナーで東京から偶々里帰りしていた李さんと出会う。東京のある会で2度程会ったことがあり、私のお茶会にも来てくれたことがあるが最近はご無沙汰だったため、昨日突然目の前に現れた人が一瞬誰だか、分からなかった。その李さんから、『会いましょう』との誘いがあり、会うことになった。このようなご縁も面白い。

 

待ち合わせ場所を思い付かなかったので、ケンピンスキーホテルとした。少し早いが外へ出て軽くご飯でも食べようと思った。ちょっと歩くとスタバが見えたので、取り敢えず入ってみる。カフェラテを注文して席に着き、PCを立ち上げる。スタバはフリーWiFiだから良い。しかし驚いたことに、VPNが機能した。忽ちGoogleもFacebookも目に前に現れた。これは嬉しかった。明日の待ち合わせ場所や約束、メールの返信が自由に出来た。初めて北京で自由を謳歌した。この機会を逃してはいけない、李さんに連絡して、待ち合わせ場所を変更した。そしてサンドイッチを追加して、席でPCに熱中した。

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李さんとも色々な話をした。北京出身者の李さんでも、最近の北京にはかなり違和感があるようだ。ご家族の関係もあり、中国に戻るという選択肢はないようだ。しかし日本は本当に良い国だろうか。『日本はこれまでとても良い国であり、それが維持できれば今後もよい国だろう』というのが、結論ではなかったか。

 

また中国については『これ以上膨張することは難しい国。だから人々は海外へ逃げていく。これも古来からの慣わし。ただいつの時代にも逃げ出せない人々がいる。為政者と奴隷、これが中国の歴史的な基軸だ』とも。

 

日本で中国語を習い人がどんどん減っている。中国に旅行に来る人も最近ほとんど聞かない。ある意味で日本人は単純なのかもしれない。もっと強かに生きていかなければ、今後の東アジア情勢、アジア情勢、世界情勢に飲み込まれてしまうかもしれない。日本という国と日本人は一体ではない、と思うのだが、違うのだろうか。

 

旅好きの会

李さんと3時間も話してしまった。お土産にザボンをくれた。このザボン、冬の北京では毎日食べていた大好物。ホテルに持ち帰って剥いてみると、本当に良い香りがして、甘かった。そういえばバンコックでも常にザボンを売っている。北京とバンコック、共通点あるのだろうか。

 

そしてまた外へ出た。既に街は暗くなっている。バスに乗り東直門へ向かう。この区間をバスで走ったことはなかったが、仕事で通ったビル、マッサージに通ったビル、何度もレストラン、誰かが住んでいたマンション、と懐かしい風景が次々に出てきた。そして東直門のもの凄い人ごみ。北京はそれほど変わっていないのかもしれない。変わったのは私の心に方か?

 

指定されたレストランは、私が帰任後に出来たシンガポール系の立派なビルの中。店内もきれいでレストランもきれいだった。ここで北京料理を食べる。私は好きな物を一品だけ注文し、後は皆さんに任せた。

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今日は昔開催した旅好きの会の大姉御Yさんを中心にした会。ライターのTさん、写真家のSさん、料理大好きKさんなど、気が付けば完全な女子会に一人ポツンと座っていた。まあ、お茶会などでも参加者の殆どが女性、ということはよくあるので気にはならない。しかも皆さん、気心が知れているので、楽しく過ごした。

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旅行会社を経営しているYさん、『2年前から日本人観光客は殆ど来ない。日本人を当てにした商売などとっくにできていない。既に中国人の海外旅行に絞って、しかも団体ではなく、個人旅行の手配をしている』と。行先は日本ばかりではなく、タイでもバリでもどこでも付いていく、そうだ。今年は中国人の海外旅行者数が1億人を越える(但し香港だけで2000万人以上で、大半はアジアだが)。日本への受け入ればかりが話題となるが、中国から全世界への手配、これは大きな市場だな。

 

日本人の若者が海外へ行かない、と言われて久しいが、私がアジアを歩いていると多くの若者と出会う。勿論バブル期などとは比べ物にならないだろうが、海外へ行きたい、行ってみたいという人は必ずいる。ただ昔は中国を目指す若者が多くいたが、今は少なくなり、東南アジアが増えているということかもしれない。

 

帰り際にある人が『そろそろ潮時かもしれない。ずっと北京に住むと思い込んでいたが、限界が来るような気がする。ただ急に日本へ帰っても適応できるか心配だ』と言ったのが印象に残る。中国では言葉にいい表せない何かが確実に存在し、我々の居心地を悪くしている。これからも中国から引き揚げる日本人が増えるのは避けられない。

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