北海でリゾート2014(6)南寧 掟破りの高速バス乗車

8月28日(木)

朝食を抜く

今朝は早めに起きたが、なぜか腹が空かない。折角朝食は付いているのだし、広州へ行くバスは8時間もかかると聞いているので、途中で食べられるかどうかも分からない。それでもどうしても食べたくないので、思い切って抜く。これはちょっとした賭けだが、体調が悪くなるより空腹の方がマシ、という判断。

 

8時台は混んでいるエレベーターもすんなりやって来て、チェックアウトも直ぐに済んでしまった。時間があるのでロビーでネットをして過ごす。このホテルは駅前ホテルであり、朝鉄道で着いたお客がチェックインしてきている。時間貸もしているので、4時間だけ寝る、という客もいるようだ。

 

8時45分には切符売り場に着いていた。オジサンも顔を覚えていて『広州だな、ちょっと待て』と。まあこれなら安心か。9時前に運転手を先頭に歩き始める。バスは駅前にはない。歩いているのは数人だけ。ミニバスだな、と直感。案の定、ミニバンに乗り込む。5人家族と男性一人と私。ところが運転手は実にのろのろと運転している。これは完全に時間調整だと分かる。

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途中で男性一人を下ろし、9時40分ごろ、郊外の道路脇に車が停まる。おばさんが一人で迎え、何とミニバンは去っていく。家族のお母さんは心配そうに『騙されてないよね』と聞いてくるが、中国人に分からないのにこちらも答えを持ち合わせていない。ただ待つのみ。出迎えのおばさんは色々と話しかけてくる。時間潰しのようだ。

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高速道路からバスに乗り込む

10時20分になり、バスが来るというので急いだ場所は、何と高速道路。本来通行人は入れない筈だが、なぜか金網に穴が開いており、上に上がれた。と言っても道なき道を行く。高速脇で待つこと数分、広州行のバスが来た。兎に角急いで乗り込む。が、前が詰まる。何とバスに乗るのに靴を脱いでいる。これは初めての経験だった。荷物も直ぐに積み込まれ、バスは何事もなかったように走り出す。

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バスの中は3列の2段ベッド、床はすべすべしており、靴を脱ぐ理由が分かる。我々は残っていたベッドを確保し、座る、いや寝ころぶ。これももしやすると初めての体験かもしれない。いきなり床にあるベッドに寝転び、窓から外を眺める。当然低い位置から見上げる形となり、空がよく見えた。青空だった。布団を掛けてクーラーを避け、快適に過ごす。

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快適なバスの旅は続く。車内にはスクリーンがいくつも備えられており、香港の古い映画をやっている。全て広東語である。多くは布団にくるまって寝ているのだが、お構いなしに大きな音で映画は続く。内容も香港に有りがちなヤクザの抗争物。2本もこれが続くと飽きてしまう。

 

3時間に一度は休憩があると思っていたが、途中で停車したのは一度だけ。運ちゃんのごはんの時間だけだった。そのサービスエリアはシャビーな感じで、ご飯を食べる気が起こらなかった。乗客の多くはスナックを買い、ボチボチ食べている。バスの旅ではあまり食べない、飲まないのが安全だ。

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それからはひたすら走り、同じような景色の中を停まることはなかった。夕方5時ごろ、ようやく広州へ入ったと思ったら、仏山と書かれている。一体どこへ行くのだろうか?広州のどこへ着くのかも確認していなかったで、ちょっと心配に。更には渋滞がひどくなり、バスが進まなくなる。何と予約したホテルからは『部屋は午後8時までしか確保しないから』と電話まで入る。俄かに慌ただしくなるが、一向に進まない。

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6時前についにバスターミナルへ着いた。だが運転手から聞いた『地下鉄に繋がっている所』とは名前が違っていたのでどうするか迷う。その時外を見上げると、何と高架に電車が走っているではないか。聞けばこの電車が地下鉄に繋がっているという。慌てて裸足でおり、荷物を確保した。広州までの道のりは実に遠かった。

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あとで聞いたところ、中国のバスではこの高速道路乗車が各地で行われているという。ただその理由が『出発時点の乗客数に対して税金が掛かるため、バス会社は違法な場所での乗車を行い、売り上げを隠す』らしい。中には規定数以上の乗客を乗せる場合にもこの手法が使われている、との証言がある。さすが中国、政策あれば対策あり、だが、安全面への配慮は是非お願いしたところだ。すきっ腹を抱えて広州へ。食は広州にあり、さてどうなるのだろうか。

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