ラオス鉄道旅2022(5)硬座に乗ってバンビエンへ

宿近くに戻り、さすがに暑さに耐えられずに、カフェアマゾンの扉を押した。中はお客でいっぱい、席もない。注文してもラオス語でしか番号を呼ばないから、自分の分がいつ来るのかもわからない。それにしてもルアンパバーンの中心はここではないか、と思うほどの繁盛ぶりだ。何とかドリンクを手に入れ、さっさと外のパラソルの下で飲む。

駅に行くミニバンを予約していたが、ちょっと早く宿に戻った。あのスタッフと雑談する。やはりルアンパバーンの観光業はコロナで相当の打撃があり、この宿もほんの2か月前にリオープンしたが、客足は戻っていないという。鉄道が通ってお客が満員でも、彼らにとっての一番は中国人観光客。何しろお金の落とし方がタイ人やラオス人とは桁違いらしい。

バンビエンへ

そんな話をしているとミニバンがやってきた。時間前に来るなんてラオスも随分変わったものだ。恐らく私を乗せて駅へ行き、5時に降りて来る客を乗せる列に並ぶのだろう。ミニバンには中国人二人と私しか乗らず、あっという間に駅へ着いたが、今度は駅が全く開いておらず、40分ほど外で待つ羽目になる。そこには飲み物すら売っておらず、例え駅舎内に入っても売店がないことは分かっており、手持ちのドリンクを大切に消費した。

今回乗ったのは中国製硬座。やはり料金が安いせいか、ラオス人の家族連れなどが多く乗っている。列車はボーテンから来るので遅れが心配された(ボーテン方面で大雨、洪水情報あり)が、何と定刻より少し早くホームに入ってきた。2日前の高速鉄道と違い、今回はまさに初めて鉄道に乗る人も見られ、座席を探したり、荷物を置くのにちょっとした混乱が見られたが、それもまた微笑ましい光景だった。

私は2人掛けの窓側の席だったが、隣はかなり体格の良いおじさんが座り、席は狭かった。降りる時に気が付いたが、彼は息子と一緒に乗っていたが席がバラバラだった。それなら席を交代すればよかったのだが、そんな融通も利かない。途中で列車が停車すると乗客に動揺が走る。単なる列車のすれ違いだが、それを誰かがラオス語で説明すると、一斉に安堵の声が漏れたのは面白い。

途中で一つだけ駅に停まったが、乗り降りする人はほぼいなかった。1時間半ほど乗るとバンビエンに到着した。1車両で降りたのは私と隣の親子連れの3人だけ。後は皆ビエンチャンに向けて去っていく。他の車両からある程度の人数が降りてきたが、観光客らしい人は半数程度。

ここでもルアンパバーン同様に乗り合いバンが待っており、皆が吸収されていく。30kで街中へ。中国語が目立っていたが、中国人観光客の姿は殆どなかった。私は取り敢えず宿だけ決めて、予約はしていなかったが、行ってみると拍子抜けするほど安かった。予約サイトの料金はどうなっているのだろうか。まあ部屋は昔風だったが、一応私の基準を満たしており、満足。何よりオーナーが非常に穏やかな人で好感が持てた。

腹が減ったので夕飯を探しに行く。歩いていると川の横であることが分かり、何とか夕日を見に行く。ちょっと桂林を思わせる構図だった。この街、残念ながらルアンパバーンほどには人がおらず、かなり寂しい雰囲気。何とか食堂を見つけて、中華系の夕飯を食べる。街は閉鎖された店舗、売り出される店舗がいくつも見られた。

8月30日(火)バンビエン散策

あまり日の入らない部屋はよく眠れる。実にさわやかな朝だった。この宿は木々が生い茂り、雰囲気は悪くない。朝食はなかったが、あまり食べる気にもならず、散歩に出た。一番近くの観光名所はチャン洞窟、と書かれていたので、そこまで歩いて行ってみる。途中立派なホテルがいくつか見られたが、観光客は見かけない。ホテルとレストランのスタッフを養成する学校があった。確かシェムリアップで10年前に泊まった記憶がある。

ずっと歩いて行くと街外れを抜け、横道に入ると公園があり、その入り口で入場料を取られた。何となく雰囲気がよさそうだったので、そのまま中へ入ると、川が見え、洞窟はこの川を渡るのだという。その渡し船?が無料で送迎してくれる。川は意外と流れが速い。観光ボートを避けながら、何とか向こう岸へ。

そこからは断崖絶壁?が見える。その下まで行くとまた入場料を取られ、しかも外国人は特別料金15kだった。まあいいか、と石段を登り始めるとやはりきつい。息が上がりながらなんとか上まで辿り着くと景色は素晴らしい。洞窟内もきちんと整備されていて歩きやすいがちょっと滑る。所謂鍾乳洞の中を歩く感じだ。

また階段を喘ぎながら降りて、また渡し船で川を渡る。今度は犬も乗ってきたが、降りるのに苦労していた。そしてトボトボと歩いて宿まで帰る。バンビエンは郊外に色々と楽しめる場所があるのだろうが、どうも観光地好きでない私にとってはこれで十分だった。

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