ヤンゴン散歩2014(3)結婚登録式で

2月7日(金)

結婚登録式 裁判官が自宅に

翌朝はホテルで朝食。昔からミャンマーのホテルの朝ご飯は、トーストに昔風のジャム、卵にフルーツが定番。そして今回驚いたのは、飲み物としてコーヒーミックスが渡されたこと。これはインスタントコーヒーに砂糖とミルクが予め入れられたものをカップに入れ、お湯を注いで飲むもの。東南アジアでは定番であるが、ミャンマーにもその時代が来たということだろうか。

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9時前に歩いてTTMのオフィスへ。犬がいるので近くまで行って携帯を鳴らすとSSのいとこの美少女が迎えに来てくれた。オフィスには既に人が溢れていた。両家の親族が集まっていたのだ。結婚式は今月末、これは友人や恩師なども参加するものだが、本日の結婚登録式は当然親族のみの会。そんな中に私がいてもよいのだろうか、とちょっと戸惑ったが、TTMは親戚に『この人は兄弟のように親しく付き合っている人』と説明していたようで、誰も違和感がなかったらしい。この辺がミャンマーらしいところ。ある意味で私はSSの父親代わりを務めたことにもなるようだ。

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この登録式、驚いたことには裁判所の裁判官が登録簿を持って家まで来ていたこと。勿論知り合いに頼んだようだが、日本では絶対にありえない光景。この登録簿は原本であり、それが外に持ち出されることなどないのでは。

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式は裁判官が仕切り、本人、両家の立ち合い人がサインしていた。東京に居てこの会に参加できないSSの姉、ピョピョ(PP)は何とスカイプ参加していた。おばさんが携帯を高く掲げ、その向こうでPPが正装していた。途中で着替えるなど、当人以上に喜んでいたのが面白い。彼女はこの後、結婚式に合わせて帰省するようだ。

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サインの後は、両家親族への挨拶。そして昨晩買っておいたケーキなどが振る舞われる。それにしても今日のSSは大人びていた。何と朝早くから起きて、人気美容師に髪を整えて貰っていた。まさに子供だと思っていた子が嫁に行く気分だった。写真撮影もあり、私と新郎新婦は3人で写真を撮ったが、その際SSが私の腕を取って、『もし将来ミャンマーで暮らしたいなら一生面倒見ますよ』と言ってくれた。こんなことを言われるほど、彼女の面倒を見た覚えはないが、正直嬉しかった。本当に花嫁の父になった気分だった。新郎は優しい男であり、SSも幸せそうで良かった。

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お寺のご招待

それからみんなでお寺に出かけた。結婚登録の後、お寺に報告、如何にもミャンマーらしい。郊外にあるそのお寺、決して大きくはないが、何と我々の為に、昼食を用意して待っていてくれた。その食事が実においしい。お寺でこんなに美味しい食事を食べたのは初めてかもしれない。

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聞けばこのお寺の住職は以前九死に一生を得たことがあり、その後は基本的にフルーツしか食べないという。だが信者にはできるだけ美味しい食事を常に振る舞うようにしており、何と毎月ミャンマー各地に出かけていき、10万人単位の人々に施しの食事会をしていると言う。その為にヤンゴンで信者のボランティアを募り、数百人を送り出しているとか。

 

どうしてこんなことが出来るのだろうか。食後住職の所に挨拶に行く。新郎新婦が丁寧に頭を下げると、住職からお祝いが渡される。周囲には熱心な信者が数人いたが、後で聞くと、ビジネスで成功した者などが多く、そこからの寄進がかなりあるらしい。ミャンマーも経済が上向き、それによってお寺が潤い、それをお寺が還元する、まさにお寺経済が動いている。

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このお寺経済については色々な意見があると思うが、とにかく日本のようにお寺が財産を貯めの込むのではなく、社会に還元する仕組みがあれば、それはそれでお寺の意味もあるのではないか。一度その地方の施し会にも参加してみたい。

 

お寺を出る時、参加者全員が新郎新婦を外に出さないように阻止する。新郎新婦は通行料としてなにがしかのお金を皆配り通る、という儀式をした。これが何を意味するのかはよく分からなかったが、親族に挨拶する一種かと思う。

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