ホーチミン茶旅2023(3) 鰻と火鍋

Kさんとは前回会おうとして叶わなかったので、久しぶりだ。外へ出てランチを探すと丸亀製麺が目に入ったが、ちょうど昼時で超満員。相変わらずベトナムでは人気のようだ。仕方なく隣を見ると宇奈とという鰻屋があったので、こちらへ入ってみることにした。日本でも格安鰻屋というイメージだ。

こちらの店はお客がまばら。日本の宇奈と同様、鰻としては安いがさすがにベトナム人のランチには高いので、ゆったりと食べられる。私は鰻唐揚げ丼、Kさんは鰻カレーを試してみたが、まあわざわざ一緒に食べなくても良い、という感じで、ベトナム人の気を引くこと、鰻単品より安くなるように設定しているのかもしれない。

それにしてもKさんとは4年ぶりだったが、その間の彼の変化は凄かった。コロナ禍により、人生が変わってしまった人は多いのかもしれないが、彼もその一人なのだろう。ベトナム社会も温かいとは言えないが、実は日本社会も温かくはない。今後何が起こるか分からないが、その時頼れるのは自分だけかなと、話を聞いていて強く思う。

夕方まで人生について考えていた。時間が来たので外へ出て歩く。張さんから指定された行き先はビジネスビル。なぜこんなところに中国の有名火鍋屋があるのだろうか。時間は午後5時だったが、店内には既にかなりの客がいて、熱気があった。この店は入り切れない客の待ち時間に、色々なサービスをして客を飽きさせない、というのがあったが、ホーチミンでもあるのだろうか。

張さんが火鍋を注文してくれ、前菜やフルーツを取り、乾杯した。その頃、店のいくつかのテーブルでは誕生会などが催され、ハッピーバースデーの歌が歌われ、店員がケーキをプレゼントして、テーブルを盛り上げている。更には途中からあの変面ショーまで行われ、大いに盛り上がっている。まるでバブル期の東京を思い出す光景だった。

火鍋の料理は決して安くはないのだが、ベトナムの若者はこういうことにはお金を使うようだ。ここの火鍋は格別美味いというわけではないが、こういうパフォーマンスが重要だ。午後8時ごろ店を出ようとしたら、店の前に長蛇の列ができていた。勿論全員の椅子が用意されていたが、ネイルなどが行われていたかは確認できなかった。歩いて帰るとホーチミンのライトアップは美しい。若い女性が着飾って街を闊歩しているのが、これまたバブルを想起させた。

11月11日(土)ビンズオンへ

今日は一昨日会ったNさんの住むビンズオンへ行くことになった。隣の省へ行くので長距離バスに乗るかと思いきや、Nさんから『Grabで来て』と言われてちょっと驚く。バスがないのかと聞くとGrabが便利で早いという。チェックしてみると料金もハノイなら空港から市内へ行く程度なので、その通りに車を呼ぶ。

市内をすり抜け、郊外へ。と言ってもずっと町が続いている感じだった。約1時間かかって、指定の場所に近くづくと、そこはなんと大きな工業団地で驚く。1990年代シンガポールとベトナムが共同プロジェクトで開発した場所らしい。工場も大きいものが多く、日の丸も見えたので日系工場もあるようだ。

団地の先にNさんの住まいがあった。そこで車を降りて歩き出す。この周辺、Nさんによれば台湾系が多く住んでいるという。この工業団地にやってきた台湾人が住み着いたのだろうか。食堂を見ると漢字が見られ、何となく台湾的な料理がメニューに並んでいるのが面白い。この地域の限られた場所だけだというが、小さな台湾村が出てきた。だが最近中国の進出も多いようで、簡体字で書かれた看板も目に付く。

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