ミャンマー激走列車の旅2015(9)マンダレーヒルから水没した家を見る

 この部屋は本館裏の別館にあり、3つベッドが置かれている部屋にリビングスペースがあり、これで1泊60ドルなら安い。何となくネットも繋がるし、快適だ。この部屋には朝ご飯も付いているのだが、考えてみれば明日は午前3時台にチェックアウトだから、当然朝ご飯は食べられない。それなら今からその分を食べたいと思い、交渉すると、あっさりとOKが出て、食堂へ向かう。このような融通が一番うれしい。日本ではできないだろうな、こんなの。

DSCN5821m

DSCN5823m

 

そういえば午前6時にチェックインすること自体、日本ではあり得ないだろう。食事も意外と豊富だったので、朝から一杯食べてしまう。熱いシャワーを浴びて、ちょっとウトウトした。部屋でもネットが繋がっていたのだが、途中から繋がらなくなり、担当者が来て様子を見ている。列車に乗っている間は全く使えないので、ホテルに居る時ぐらいは何とか連絡などを取りたい。

DSCN5834m

 

8時過ぎには駅の切符売場へ行く。やはりラショー行の切符は買えなかった。理由は洪水で途中の橋が壊れ、ティボーまでしか列車は走っていないとのことだった。我々は何があろうと、前に進むしかない。ティボーまでの列車のチケットを買った。後は現地に行って、なるようにしかならない。午前4時発、明日もまた厳しい旅が続く。料金もまた10ドルちょっと。本当に安くて助かる。

DSCN5827m

 

マンダレーヒル

昼前にホテルを出た。マンダレーで唯一行くべきところは、マンダレーヒルになっていた。S氏は決して観光をする人ではない。中国には何十回も行っているが、万里の長城すら行った事がないと聞いていた。今回観光地であるマンダレーヒルに行くにはそれなりの理由があった。それは雨期のミャンマーの写真を撮るため、分りやすい場所として、マンダレーヒルから水没した村を見る、という案を私が出したことによる。

 

しかし駅前からマンダレーヒルまでどうやって行くのか、誰も分ってはいなかった。タクシーもあまり走っておらず、たまにいてもやる気がない。何とか見つけたタクシーでヒルの下まで行ったが、そこからはソンテウだ、と降ろされる。ミャンマー人の観光客に交じってソンテウに乗り込み、上に上がった。だが、料金は一人500kのはずだが、なぜか1000k取られてしまった。この辺が観光地のしたたかなところだろうか。

DSCN5835m

 

上からは想像通り、水没した村がよく見えた。いつも思うのだが、年に一度は水没する家、ここで暮らす人々はどう考えているのだろうか。慣れていると言えばそれまでだが、我々には理解できない暮らし方だった。Nさんはこの辺の写真を撮りまくる。私とS氏は静かに床に座り、何もせずに目をつぶっていた。周囲のミャンマー人観光客も思い思いに座ったり、静かに下を眺めたりしていた。

DSCN5842m

DSCN5845m

 

このヒルの階段の途中には日本人慰霊碑も作られているが、そこには興味がないということで、またソンテウに乗って丘を下った。ここでは当然500kしか払わなかった。下に行っても、ホテルに戻る車がなかった。その辺の屋台に入り、車はないかと聞くと、おじさんが出てきて乗せていってくれた。何とも悠長な商売だった。ホテルに戻っても仕方がないので、市場へ行くことにした。

 

庶民的な市場だった。お茶を売っているところを探すと、いくつかあったが、どれも非常に安いお茶だった。1㎏、500kというから、レストランにて無料で提供する茶葉だった。それでも種類だけはいくつもあって、米袋のような袋に詰め込まれていた。50gだけくれと言ったら、面倒くさそうにビニール袋に入れてくれる。このお茶を後で飲んでみたが、やはり苦くて、なかなか飲みにくいものだった。腹が減ったので、その辺で麺を食べた。汁無し面で、スープが別に付く。漬物も付いてくる。シャンヌードルともちょっと違う。値段が700kしたのは少し高い感じだった。外国人と分ったからだろうか。市場にはそれほど活気はないが、それでも人は出ており、物は動いているようだった。

DSCN5854m

DSCN5855m

DSCN5850m

 

やることがあまりなかったので、喫茶店を探してみる。市場から少し行ったところに、如何にも雰囲気の良いミャンマーの喫茶店があり、入ってみる。頼むのは勿論ティミックスだ。昼下がり、店は空いていて、人の動きも鈍い。怠惰な空気が流れていた。ティミックスが来ると、ポットに入っているお茶を勝手にカップに注ぐ。それがここの仕来りだった。駅前の屋台でもこんな店でも1杯は300kと判で押したように決まっていた。

DSCN5859m

DSCN5861m

 

それからブラブラ歩きながら、ホテルへ戻った。途中に茶葉を売る店があったが、試飲も出来ないし、文字も読めないので、買うのはためらわれた。30分以上歩いただろうか、何とか駅に辿り着く。どうやら市場は駅裏の方角だったらしく、ホテルのある表まで戻る。ツーリストインフォメーションで何かが得られないかと見てみたが、ラショー方面の情報もなく、結構疲れてしまった。

 

夜は近くのレストランで食べる。戸外に出ているテーブルにはすでに先客がおり、ビールを飲んでいた。徐々に暗くなる中、風に吹かれながらビールの飲むのは良いものだと思い、私も一杯だけ付き合った。この旅でもほとんど酒を飲んでいない。疲れている時に酒を飲むのは禁物だったが、お陰で部屋に帰り、早々にぐっすりと眠ることができた。

DSCN5868m

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です