ベトナムGH11連泊の旅(16)ハノイ 様々な角度で物事を見る重要性

11月28日(金)

再会は続く

翌朝は完全に寝坊した。さすがに疲れが出てきている。ゲストハウスの泊り客は朝が遅いので、それに合わせるとどんどんダラダラになる。一部60歳を越えた退職者がおり、この人たちはパターンが違う。『どうしても早く起きてしまう、長く寝ていられない』という状況があるようだ。そういう意味では寝ていられる私はまだまだ若い方なのだろう。

 

新しい若者が飛び込みでやって来た。昨晩もここに泊まりたかったが、暗くて探し当てられず、止む無く近くのホテルで1泊してきたという。管理人のキエンさんはまだ来ていない。でもここはホテルではないのだ。常にフロントがいて、チェックインできる訳ではないことを彼らは良く知っている。

 

朝飯に向かいのブンチャー屋に連れて行く。ハノイに来ないと見かけないので皆知らないが、結局ここではブンチャーが一番美味い。彼も大満足だった。彼はラオスからバスでやって来て、ベトナムを南下して帰るという日本の大学生。親にはかなり心配されたが、来てよかったという。海外に出る日本の若者が減っているのは事実かもしれないが、それはその親世代の影響も大きいのかなとも思う。実は日本人で海外に行ったことがない人もかなり沢山いる。

 

それからリビングでダラダラし、キエンさんにタクシーを呼んでもらう。今日はランチに約束がある。北京時代に知り合ったIさん、元々ベトナムでの勤務経験のある異色の人材だったが、日本へ帰ったと思っていたら、いつの間にかハノイにいた。連絡してみたら、会ってくれるというので出掛けた。ただ、宿から少し遠いのでキエンさんがタクシーを手配してくれた訳だ。

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そこは日本大使館から車で南10分ぐらい行った所だった。この付近には比較的新しいビルが建ち、オフィス街ともいえる感じになっていた。焼いたナマズが美味いというかなりきれいな店。如何にもベトナムらしい。以前ベトナムの田舎で雷魚やナマズを食べたが、非常に美味だったことを思い出す。地元のOLなどが入っており、満員の盛況。人気店であった。

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Iさんは日本で中国人の会社に就職したが、そこからベトナムのプロジェクトへ出向しているようだ。家族でハノイに住んでおり、快適だという。海外生活をエンジョイしたことがある日本人はどうしても日本へ帰ると閉塞感がある。そしてまた海外へ出る傾向にある。外に出る人とでない人、その落差が大きく、違いがはっきりしているのが今の日本の特徴だと思う。

 

忙しいIさんからは短い時間だったが、かなり中身の濃い話を聞くことができた。特に中国とベトナムの関係については、日本にいる学者さんやマスコミさんも反中暴動の事件のみを伝え、あまり関心がないのか、詳細な情報が不足している。私もそうだが、中国を知り、アジアを知る人間の中国アジア情報の発信は重要だと再認識した。

 

Iさんと別れ、歩いて宿へ帰る。まずは日本大使館の方へ行く。2年半前建設を開始したばかりだったロッテのコンプレックスが見事に出来上がっていた。ここに韓国大使館が入居し、日本大使館を見下ろすのだ、と言っている人もいたが、どうなんだろうか。そんなことはどうでもよいか。でもモールにはあまり人がいる気配はない。

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キンマー路を東に進む。途中北上すると、昔のハノイの風景が出てきた。写真を撮ろうとして、カメラを取り落とし、壊してしまう。それほど暑いとは思っていないが、予想以上に消耗しており、手に力が入らない。そのままゆっくり歩いて行くと、レーニンの像が見え、ベトナムの国旗がはためく砦が見える。この付近にタンロンの世界遺産があるはずだと探したが、見付からない。ホーチミン廟があり、古めかしい建物が続く中、真新しい建物が。まさかこれがタンロン遺跡とは知らず、結局中へ入らなかった。ベトナムは表示がしっかりしていないので、よくわからない。

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疲れ果てて宿に戻り、ぐったりする。体力が衰えたなとも思い、またGH連泊の疲れが完全に出てきたとも自覚する。ドミトリーに泊まっていても何の障害もないと思ってはいるが、そこはオジサン、若者とは違う。やはりちょっとしたことでも気を使うらしい。

 

夜までダラダラした。宿の管理人キエンさんは突然、『今から田舎へ戻り、結婚式に出てくる』と言って出掛けて行った。ここから100㎞ぐらい離れた街らしい。ベトナムで100㎞離れているというと、道が悪ければ3-4時間の旅となる。ベトナムでは結婚式を非常に重視しており、物凄いパワーで、お金を掛けて披露宴を行う。この辺の見栄の張り方は中国人を凌ぐかもしれない。彼も宿が忙しいという理由で出席を断っていたが、当日になり、親に説得されたらしい。既にHさん、Kさんとも持ち場に帰っており、私が手伝う必要があるかと思いきや、日本語のできる人が手伝いに来ていた。

 

夜、宿にズンさんがやって来た。宿に入るなりズンさんは『オー、久しぶり』という感じで、管理人代理の方に話し掛けている。聞けば、昔の日本語ガイド仲間だというではないか。何という奇遇、ご縁は恐ろしい。彼は日本語ガイドに見切りをつけて、日本語学校で教えている。今度そこも辞め、自分で日本企業向け人材紹介を始める予定だとか。

 

宿を出て食事に行く。連れて行ってもらったのはハノイ駅の近くのきれいなレストラン。この前散歩したとき気になっていたのだが、何とも大きな造りで、夜はお客で超満員。8時だというのは、席はなかった。少し待って何とかギューギュー詰の席に潜り込む。ここにはあらゆるベトナム料理があるのではないか、と思われるほど、沢山の種類の料理があり、ここ一か所でベトナムが味わえるという趣向になっている。

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韓国人の団体がビールをがぶ飲みして気勢を上げている。欧米人の家族が静かに食べている。日本人の姿もちらほら見えていた。ベトナム人も少しいるようだ。海外在住者かもしれない。勿論ここは道端の屋台より、値段ははるかに高い。結局春巻き、おこわごはん、バインセオ、ブンチャーなどお馴染みの料理を味わった。

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ズンさんとはちょうど10年前、家族旅行でベトナムへ来た時に知り合った。2年半前は一緒に茶旅に出てくれた。その時は、通訳・ビジネスアテンドなどを本業としていたが、今回来てみると就職したという。それもさっきの宿の代理人と同じ、人材紹介会社で働いている。人材紹介で成功したオーナーが様々な事業をするにあたり、ズンさんが引き抜かれたらしい。日本にも強い興味を持ち、先月は財界訪日団に混ざって、日本へも視察に行ったという。日本企業がベトナムを見ていると同時にベトナム企業が日本を見始める。面白い傾向だと思う。彼とは今後何か一緒にできるかもしれないね、と言って別れた。

 

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