夕方茶歴史の話しでお腹いっぱいのはずが、リアルに腹が減って来た。帰る前にその辺の店に飛び込み、また魯肉飯などを思いっきり頼み、思いっきり掻き込んだ。こんな生活していた大丈夫だろうか、と思ってしまうが、好奇心を満たすと腹は減るらしい。MRTに乗ると腹が重くて耐えられない。

6月25日(水)南港食品展
朝いつものクラブサンドを食べてから、南港に向かう。MRTモノレールにダラダラ乗っているとかなり時間がかかって何とか南港駅に着いた。今日から国際食品展が開催されていると聞き、ちょっと覗いてみることにしたのだ。会場はかなり広くて、どこで何をやっているのか把握できずに歩き始める。

最初は食品機械の展示階に迷い込む。何とか食品コーナーを経て、ドリンクコーナーまで辿り着く。11月に開催される茶展とは違い、ここは食品展。冷凍食品などの横には、ペット飲料やインスタントティーの展示が並んでおり、現在の茶と言えば、実はこちらがビジネス上は主流なのだと思い知らされる。我が大家も、かなり良い茶粉を使った商品を売り込んでいる。


最近の景気悪化及び微妙な中台関係により、中国企業の出店はほとんど見られなかった。私が思う茶業者の展示もほんの少ししかなく、何となく落ち着かない。その中で奮闘していたのがジョニー。彼のブースへ行き、お茶を飲ませてもらい、ようやくホッとする。彼のところのブランド価値はかなり上がっているとは思うのだが、このアウエー感の中で戦うのは大変だろう。

歩き回っている内に腹が減る。そうするといい匂いの方に釣られていく。食品展なので、食べる物は沢山ある。お菓子類もあるが、台湾の名産品で試食できるものをいくつか食べてみる。私はB級グルメ専門なのだが、ファーストフード的な物にはあまり手を出さないので、ちょっと新鮮だった。

一度部屋に帰って疲れた体を休める。途中かなりの雨が降り、少し涼しくなる。夜は旧知のKさんと食事。私のリクエストで「小籠包と炒飯」をお願いしたので、久しぶりにその味を堪能することが出来た。Kさんとは昔話に話しが咲いたのだが、結構忘れていることも多く、頭を搔く場面が増えてきているのはなんとも気になる。

6月26日(木)茶歴史を探して
今日は李春生のご子孫を訪ねて林森北路付近へ向かう。昔の飲み屋街はすっかり変貌しており、ホテルや居酒屋などが増えている。その中にウナギの肥前屋を見付けて懐かしくなる。まずは李さんと会い、李春生と宝順洋行について質問する。その後李さんの方から、大正期の東京の住所が示され、現在のどこに当たるかをネット検索などで一緒に探した。

何とそこは現在の代官山付近であり、東京に移り住んだ李家の子孫の邸宅の場所だった。これまで色々と日本と台湾の繋がりを見てきたが、この付近に邸宅を持っていたお金持ち台湾人は何人かいたと思う。恐らくはその中で飛びぬけてお金があったのではないだろうか。婚姻関係なども今では考えられないものがあった。
2時間みっちり勉強して李家を辞した。既に時刻は12時とランチタイム。だめもとでさっきの肥前屋に行ってみると、何と全く行列が無い。コロナ前など11時でも大行列だったので、ちょっと驚きつつ中を覗くとすぐに席が確保できた。満席ではないがそこそこの入りではあった。

ここのうなぎは何年かぶりで食べたが美味しく感じられた。観光客は少なく、地元民のランチ風景だった。料金も特に高いとは感じられない。ところがその3日後、なんと何の前触れもなく肥前屋は閉店したとの報道が駆け巡って、心底驚いた。1988年に傾きかけた前店舗からお触れ出たいい匂いに惹かれて以来37年、その思い出は突然絶たれた。最後にウナギを食べられたのは、これこそ虫の知らせだったろうか。
