チェンマイ滞在記2023 その2(1)ミアンの旅

《チェンマイ滞在記2023(2)》  2023年1月25₋31日

1月25日(水)ミアンの旅

先週Nさんから紹介してもらったケンサンとついにミアン旅に出た。ここまで僅か1週間、チェンマイって、願えば叶う街なのだろうか。ケンサンの知り合いのドライバー(何とカフェのバリスタらしい)の車に乗って、向かうはチェンライ方面。60㎞、約1時間走って、突如脇道へ入った。そこがクンラオ村の入り口だった。

クンラオ村はのどかなところだった。村人に聞くと、ミアンづくりをしている家は今や一軒しかないというので、そこへ向かう。家主のポーンさんは忙しい中、相手をしてくれた。家の奥の高床式の下には、かなり大きな壺があり、その中にはミアンが詰まっていた。村人から茶葉を集めて、ここで作るのだという。ミアンシーズンは年4回。商品はチェンマイ商人(タイ人)が購入していくらしい。

折角なので近くの茶畑も見せてもらう。茶葉は上の芽は緑茶用(生葉売り)、真ん中ミアン用、一番下はタイ茶用(タイ茶会社へ)になると説明を受けて妙に納得する。尚ミアン製造技術がいつこの村に入ってきたのかは不明だが、茶樹は200‐300年前からあるようなので、その頃かと推測する。

続いてケンサンが『バーミアンへ行きましょう』という。ミアンという名が付いているぐらいだから、期待が高まる。クンラオから山道を車で40分、標高1000mの村へ行く。道路沿いでコーヒーを売っているカフェ?に入り、ほうじ茶(原液)を注文したところ、そこにミルクや砂糖を入れて飲む用の物で、真っ黒な液体が出てきてビックリ。さすがにミルクを入れてもらって飲む。ここにはバイクのツーリングをするタイ人が何人も来ており、最近のタイ人の観光動向などが分かってくる。

カフェのオーナー夫妻に話を聞くと『この辺でも昔は沢山ミアンを作っていたが今は殆どコーヒーに替わってしまった。古い茶の木は少し山に入れば沢山あると思うけど、誰も管理していないからどうなっているか』という残念なお知らせだった。今茶葉を摘む人がいても、生葉を仲介人に売るだけらしい。

ただそこから北へ10㎞ほど行った村には今もミアン造りが残っているという。そこまで行くと確かに民家に漬物樽が置かれている。だが中身は空っぽ。今は造る時期ではないというが、恐らく生産量は少ないのだろう。この村は昔バーミアンだったが、30年前国王が来て、コーヒー栽培が奨励され、名も変更されたという。

そこから山道をずっと走り、ようやく平地の道路へ出たと思ったら、もう一度別の山に入っていく。そのあたりにはきれいな別荘やホテルなどが見えてくる。更に登っていくと道の両側に土産物屋やカフェなどが並び、完全な観光地になっている。こんな山の中に、こんな場所があるとは驚きだ。ここがメーカンポーンだった。

車は更に登り、滝があるところで停まった。ケンサンが『この滝のところに古い茶の木がある』というので行ってみると、確かに細長い茶樹があり、幹に布が巻かれている。これは保護すべき樹木のマークだという。そこから川沿いに降りていくと、茶樹の看板が出ている。ここの木は古く、保護されるべき貴重な物なのだろう。その下にもまだまだ茶樹が生えている。この付近は以前ミアン造りが盛んだったが、最近は完全に観光業に替わってしまったらしい。

今日は1日で3つの村へ行き、ミアンの現状を知ることが出来たのは大きな収穫だった。ただ残念ながらミアンの歴史については皆目分からない。さらに調査を続けるしかない。秋に再訪しよう。帰りの車からサンカンペーン温泉が見えた。今度暇な時に浸かってみよう。

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