シベリア鉄道で茶旅する(35)レストランと地下鉄で迷走

最後の晩餐

モスクワの大学の通っている張さんの娘さんが、わざわざ家まで帰って、米せん茶を届けてくれた。これを手に入れれば満足だった。帰りは教えられたとおり、バスに乗る。50㍔でホテルの近くまで戻ってきた。ここは地下鉄がないので、バスは一般市民のおじさん、おばさん、子供たちでかなり混んでいた。30分以上乗ってようやく着いた。ホテルの横はロータリーのようになっており、そこの広場には、誰かの像が建っていたが、文字が読めないため、誰だか分らない。

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ホテルに帰ると先に戻っていたS氏は懸命に原稿を書いていた。リビングルームはそのまま使えたので、我々は2つの部屋で自らの作業をした。先に空港に向かったNさんから連絡が入った。空港でフリーWi-Fiを使う際には、携帯で暗証番号を受ける必要があるらくし、私の携帯でその番号をゲットして渡した。お礼に明日の空港までの行き方が克明に書かれたメールが来て助かった。モスクワでは単に駅名を知っているだけでは乗り換えすら怪しくなる。

 

暗くなった頃、夕飯を食べに出る。相変わらず行き当たりばったり。何を食べるかも決まっていない。駅の周囲を行くと、ちょっときれいなレストランがある。ロシア最後の夜だから、少し良いものでも食べるようと、そこへ入ってみた。中もおしゃれな雰囲気で、会社帰りのサラリーマンなどが楽しそうにビールを飲んでいた。メニューを渡されたが、全てロシア語。そして何となくわかった物は何とタコスだった。ここはメキシコ料理屋か。これは入るところを間違えたと思ったが、既に座っていたので、ビールとタコスを頼んでみる。

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何もモスクワまで来て、タコスを食べる必要はないのだが、大都市というのはそんなものだろう。ロシア人も東京で、こんなことをしているかもしれない。この店では軽くビールを飲む、というコンセプトにした。それでも代金はシベリアのカフェに比べればはるかに高かった。これがヨーロッパというものか。早々に退散する。そしてもう一つのレストランに入る。こちらは自分で料理を取って、秤で料金を払うという、とても外国人向きの店だった。私はうれしくなって、当初は軽くと思っていたが、鶏肉やジャガイモを沢山取り、腹一杯食べてしまった。ティバッグのお茶も入れて、さっきのビールとタコスの料金と変わらない。この方式が実に気にいってしまった。

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帰りは地下道を通ってホテルに戻る。その地下道では、何と向こうから馬を引いた人が歩いてきてビックリした。モスクワ市内は馬の通行が認められているのか。北京市などではかなり昔に馬の通行は禁止になっている。先日のムルマンスクでは馬に乗った人を見かけたし、他の通行人は特に反応していなかったことから見ても、意外と問題ないのかもしれない。もう一つ、地下鉄駅の脇には飲み物の自動販売機が置かれていた。

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よく見ると、なんとそれは日本製、ダイドードリンコの販売機だった。しかも表示されている飲み物は、ゆずレモンとかアイスココアとか、日本語で書かれていた。お金を入れれば本当にこれが出てくるのだろうか。ものすごく興味があったが、この寒い中、冷たい飲み物を飲みたとも思わず、とうとう買わなかった 。今考えてみれば、ネタとして一本買うべきだった!と後悔したが、後の祭り。果たしてあそこからは何が出てきたのか。なぜ日本製の自販機がモスクワにあるのだろうか。何とも不思議だ。

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3月23日(水)
地下鉄で迷走

翌日もまたホテルの朝食を思いっきり食べた。とうとうこの旅が終わる。もう列車に乗る必要もないし、安堵が広がっている。今日は一人でモスクワ散策に出る。勿論午前中には帰ってこないので、ホテルをチェックアウトして、荷物をフロントに預けた。S氏はぎりぎりまで部屋で原稿を書くようなので、私が一足先に外に出た。そして初めてモスクワの地下鉄の駅へ。チケットは自販機でも買えるが、私にはよくわからないので、窓口で目的地を言って買う。50㍔だった。

 

この駅には2つの地下鉄が交差していた。私は5号線に乗り、一駅行って1号線に乗り換えるつもりだったが、まずは5号線の乗り場が分らない。インフォメーションがあったので、地図を指して乗り場を確認。何とかホームに行ったが、どちらの方向に乗るのか分らない。5号線は環状線なので、いつかは着くとは言いながら、反対方向に乗ってはたまらない。何とか勘を働かせて、乗換駅のロシア語を推測した。パールク・クリトゥールイ駅にはたどり着いた。

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1号線のホームにも無事に辿り着いたが、来た電車にすぐに飛び乗ってしまう。幸い座れたので安心したが、次の駅名が分らない。放送もロシア語、駅の表示もロシア語だからどうしようもない。数駅行って、ついに反対方向に乗ってしまったことに気が付き愕然。今度は反対に倍の数だけ戻る。もう駅数を数えるしかない。ようやく目的駅であるチーストィエ・ブルドゥイ駅で降りた。しかしこの駅は3線が交差しており、駅名も異なっていた。東京の地下鉄にもたまにある光景だが、外国人にはたまらない。地上へ上がる方向がまたわからない。警備員に身振り手振りで何とか聞き出し、地上へ出た。

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