ベトナム旅2024(5)ソクチャンへ

10月13日(日)ソクチャン・バクリュウへ

本日はIさんのご縁で、カントー郊外への日帰りツアーに参加した。朝7時に車が迎えに来てくれた。メンバーはカントー大学の先生たち2人と、助手(運転手)、そしてIさんの5人。座席はちょっときつめ。まずは市内で朝食の麺を食べてから出掛ける。今日の目的は華人廟をいくつか訪ねることだという。

天気はすごくよくて、快適な車旅となった。約1時間南へ走っていくとソクチャン省ソクチャン市という場所に着く。ここの街中は華人人口が3割を超えるといい(省全体ではクメール人が50%を越え、華人は20%弱)、そこに天后廟があった。かなり立派な、しかも新しい建物で驚く。中に入ると潮州会館とも書かれている。この辺の華人の中心が潮州系だと分かる。Iさんはここに以前も来たことがあるといい、管理人のおじさんと話を始める。彼らは既に潮州語は話さず、ベトナム語での会話となっている。

続いて30分ぐらい車に乗り、ビンチャウという街に着く。きれいな街並みで新しい雰囲気。清明古廟(本頭公廟)にやってきた。ここはかなり新しく、立派な廟だった。中も広い。Iさんの知り合いという男性が現れたが、彼は潮州人だと名乗り、この辺の家庭では今も潮州語が話されていると聞き、驚く。一緒にいた女の子は華語を学んでいると言ったが、恥ずかしいので話せないという可愛らしさ。

この廟を改装するに当たっては、この地から海外に飛び出した華僑たちからの寄付が大きい。アメリカやカナダが多いようだが、寄付額の通貨も色々とあって面白い。更にはこの地を離れてホーチミンなどへ出た人々も沢山いることが分かる。華人の強さ、郷土愛など、考えさせられることが多い。

そしてこの廟の中には「三山国王」が祀られている。これは潮州系の信仰するものであり、この付近に潮州系華人が多いことを物語っている。横には天后廟が見られ、その後ろには大きな学校が建っている。如何にも教育に熱心な華人が建てた学校だと思われるが、現在生徒は多いのだろうか。メインは潮州系だろうか。恐らくここでは華語も教えていると思われるが、どうだろう。中学生ぐらいの子たちがバスケをやっている。

古廟巡りはまだまだ続く。また20分ほど車に乗ると、かなり田舎道に廟があった。ただ中はここも比較的新しい。コロナ後に改修されたようだ。名前は福興古廟だった。私個人としては廟をたくさん見てもはっきり見分けは付かない。ベトナム人の先生は細かい所を見ており、もう一人の先生は天后廟のレポートを出すらしい。

この廟のすぐ近くに、観光用の看板が出ていた。入っていくと大きな建屋、広い庭があった。ラムヤイの木も沢山植わっている。この邸宅は約100年前に作られたらしい。何の説明もないので詳細は分からないが、ホーチミンあたりに出て成功した華人が、故郷に錦を飾ったのではないだろうか。観光資源として活用しようとの意図はあったようだが、うまく活用されていないのは残念だ。

この家は頼という姓で、その祖先は中国河南省から南下した人々と漢字の説明があった。そういえば、この屋敷の構造はどことなく客家の三合院に通じるものがある。客家は中原発祥という説の真偽は別にして、頼氏は客家ではないか、と勝手に想像してしまった。潮州系と客家、どことなく繋がっているように思える。

更に少し走ると、また天后廟があった。かなり小ぶりで特に特徴はない。同行者が報告のためにここの写真を撮るのが目的で来たらしい。場所も分かりにくいが、周囲もほぼ何もない。新しい場所に移転したようにも見える。とにかくカントー郊外には華人が多いことは分かったが、現在目の前にある廟は皆21世紀に改修されたもの、または新しく[作られたものであるようで、これもまた一つの歴史なのだろう。



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