みちのく一人旅2022(5)大館、そして鹿野へ

5月20日(金)大館へ

朝、昨日の余韻で弘前高校に行って旧校舎を見学した。それから寺町を散歩しようとしたが、道を間違えたのか、寺は見付からなかった。それにしても今日の岩木山もきれいだ。弘南鉄道中央弘前駅へ。駅舎とは思えない非常に昭和な建物。1952年開業らしい。切符は自販機で購入するのだが、ただ大館まで行くきっぷ(含むJR)は売っていない?

親切なスタッフに聞いてみると、色々と教えてくれた。ローカル線の営業努力はやはりすごい。改札は発車の5分前から。ホームは1線しか車両が入れない。2両列車に乗客は地元のご年配の方ばかり。終点大鰐駅まで440円。前半は意外と家がある。後半は田畑中心。何とも眠気が襲ってくる心地よさを感じる。

約30分で大鰐駅に到着。木造の階段を上るとJR大鰐温泉駅へ行ける。一応弘南鉄道の改札があったが無人。JRホームは出入り自由の緩さ。JRきっぷは窓口で購入するが現金のみ。駅員の対応も良くはない。駅の外には足湯あり。ここで温泉に入るという手もあったか。30分待って奥羽本線2両列車で大館まで向かう。590円。ほぼ田園、森林風景。大館駅に着くと駅舎は改装中。そして駅前にはほぼ何もない感じで、観光案内所も見付からない。

秋田犬の里?という建物があり、その前に忠犬ハチ公像があった。そうか、ここはハチ公の生まれ故郷か。その裏には渋谷との繋がりを示す『青ガエル』と呼ぶ電車が置かれていた。予約した宿に荷物を預けたが、フロントの対応は何とも不慣れ。研修生らしい。後で戻ってきてみると、バッグは開いたままで、フロント脇の外に放置されていた。急激なローカル感を味わう。

東大館方面へ歩く。20分ほど歩いて行くと秋田犬会館?があり、ここにもハチ公がいた。隣は桂城公園(城跡)。市役所の建物が実に立派。その横の桜櫓館を見学したが、『気を付けてみてね』というだけで、対応する気はないようだ。3階の展望に行くには非常に狭い階段を這い上る。それから少し歩いて八幡神社まで行く。駅で言えば、この街は大館ではなく、東大館が中心だった。何となく東室蘭を思い出す。

またとぼとぼ歩いて大館駅で明日のバスを確認。宿にチェックインしたが、腹が減った。中途半端な時間で店を探せず、また駅前に戻り、鶏飯弁当を買う。900円で十分満足。名物比内鶏?かな。夜は何と宿で午後7時半から夜泣きラーメンを無料で食べられた。半ライスも付いていたが、さすがに断る。ホテル経営も大変だ。

5月21日(土)鹿野へ

宿はいかにもビジネスホテルで、朝飯の質も落ちる。まあ鶏だし飯をかっ込んだので、文句はないが、色々なホテルに泊まるとサービスの差が良く分かってしまい面白い。今日は駅前から高速バス(盛岡行)に乗って、高速けまないというバス停まで行く。約40分。因みに料金1000円で、 Suicaは使えた。乗客3人のみで、下車場所のアナウンスが2回あって戸惑うも何とか下車。

完全な田舎の高速道路脇のバス停を想定していたので、飲食店などもあり、意外な感じで始まる。ここ鹿野市毛馬内へ来た理由、それはこの地が偉大な東洋学者、内藤湖南生誕の地だったからだ。先月京都で湖南の墓と晩年に隠棲した恭仁京を訪ねたこともあり、ここまで来たらどうしても訪ねて見たくなる。

歩いて10分ほどで、急坂(柏崎新城搦め手口)を上ると内藤湖南先生の旧宅があった。現在も親族の方が住んでいるので表札も出ている。その上に内藤虎次郎郷宅とも書かれている。胸像が建てられており、その向こうには湖南が使ったと思われる書斎の建物さえ残っていた。これはちょっと感激だ。

隣には毛馬内柏崎館という建物があったが、既に閉館しているようでひっそりしていた。ここが城の本丸?だったらしい。道沿いに内藤十湾先生(湖南の父)の碑もあった。もう少し歩いて行くと、仁叟寺といういい雰囲気の寺があり、戊辰戦没の碑なども建っている。そこから下ると立山文庫跡(現十和田図書館)の表示があり、その横には蔵がある。表札によれば立山氏は今も子孫がここに住んでいる。更には毛馬内学校発祥の地と書かれたものもある。この学校は明治初期に開校されたが、湖南も通学したのだろうか。

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