みちのく一人旅2022(4)弘前を歩く

5月18日(水)弘前へ

朝飯と朝風呂、このセットが習慣化し、心地よい。他にやることもないのでチェックアウトして駅へ向かう。Suicaは使えないのできっぷを買ったが、この駅列車到着10分前まで改札口を開けない?なんだか中国の駅を急に思い出す?団体さんが深浦へ向けて行くようだが、混雑はない。

やってきたのは1両列車。さすがに車内は混んでいる。次の電車は11時台らしい。弘前まで直通でわずか43分。途中川部でスイッチバックがあり、前後が逆になった。リンゴ畑を見ながら過ごす。

弘前駅の観光案内所はてきぱきしていてよい。駅前から市内巡回バスが100円で乗れる。10分に一本あるというから、非常に便利だ。今日の宿まで10分ほど乗り、荷物を置き、すぐに市役所前へ歩いて向かう。ここには立派な観光館があった。郵便ポストには『りんご色の町 弘前』の文字があり、ポストの上にはりんごのモニュメント、背景にはきれいな岩木山で写真を撮る。

2時間に一本しかないミニバスで岩木山神社へ向かう。30分、660円。田舎道を軽快に走り、途中から登りになる。神社は相応に古い。江戸初期か。敷地も相当に広く、荘厳な感じがある。山頂(標高1600m)の奥の院まで徒歩4時間15分との表示があり、断念して参拝する。ここから岩木山は見えないので、横道から遊歩道を歩いてみる。所々に岩木山が顔を出す。リンゴ畑もある。とても気持ちが良い歩道だが、誰も歩いていない、独り占めだ。天気も最高に良い。

更に歩いて行くと寺がある。と見えたのは、津軽4代藩主の廟。近くには殉死した家来の霊社もあった。ちょうど歩道に木が倒れており遮られた。ゴールの高照神社に到着、由緒正しそうだが、宝物殿は朽ち果てていた。横に歴史資料館があったので入ってみる。300円。津軽藩の歴史が分かる場所であり、絵画や茶器なども展示されている。

帰りのバスに乗ろうとしたが、バス停はなかった。それでもちゃんと大型バスがやってきて、25分で市役所へ戻る。570円。宿まで歩く間にいくつも古い建築物が見られた。吉田松陰滞在場所何というのまであった。宿は部屋も広く、風呂がデカい。露天風呂から岩木山が良く見える。

風呂から上がって大相撲を見る。極楽だ。終了すると腹が減り、検索で見つけたとんかつ屋へ向かった。バイト男子が面白い。『ご飯です。味噌汁です。とんかつ定食です』とサーブする。サラッと揚がった、なかなか満足できる『ろうすかつ』だった。なめこ汁もうまい。帰りは夕暮れの赤レンガ美術館の横を通る。更にはレトロな教会もあり、その向こうは何と中央弘前という駅だった。言われなければ駅舎とは思わなかったかもしれない。

5月19日(木)弘前市内で

また朝風呂。そして豪勢な朝飯。特にせんべい汁うまし。本日は大谷の二刀流を見るため午前中お休みとした。偶にはこういう日が必要だ。昼前にようやく部屋を出る。宿の近くに五重塔が見えた。最勝院、江戸初期に津軽氏によって建てられたらしい。境内には大工の棟梁の記念碑があった。これは珍しいのではないか。横には八坂神社もある。そこからいくつも寺がある新寺町を歩いた。

更に中心街とは反対の方へ向かう。弘前学院大学の校内にある宣教師館。同大学はキリスト教関係者が設立し、アメリカから婦人宣教師を招いたようで、この建物はその宿舎だった。弘前には他に、弘前大学外国館(今はカフェとして使われていた)など、意外と外国人用の建物が残されている。

太宰治まなびの家(旧藤田家住宅)にも行ってみる。ここは弘前ペンクラブが管理しているとのことで、そちらの方から30分説明を受ける。太宰は青森中学から旧制弘前高校に進学、親戚の家に下宿。太宰が青森中学に行ったのは母親が浅虫で療養していたかららしい。弘前に移っても青森に芸者遊びに行っていたというからすごい(金木の実家を見れば資金力に問題なし)。そして2階の太宰部屋を見ていると『ここが初めて自裁未遂した部屋』と言われて驚く。 

昼も過ぎていたので、土手町の銀水食堂でかつ丼570円を食す。まさに昭和の食堂。午後2時でもお客はかなりいる。赤カブの漬物、そして濃い番茶。食後は弘前公園へ行き、天守閣に登る。320円。かなり広い敷地、石垣積み工事をやっている。図書館などレトロ建築がいくつもある。古い建物が残っているのは、弘前が空襲に遭わなかったことが理由であるらしい。

夕方部屋に戻り、コインランドリーで洗濯しながら、風呂に入り、また相撲を見る。チェーンホテルのいい所は『ここには必ずコインランドリーがある』と分かっていること(ここは洗濯機使用は無料、乾燥機は有料)。それにより、何を着るかを計算出来てとても助かる。夕飯は抜いて、夜泣きラーメンを食して寝る。これもまた良い。

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