滋賀中心の関西茶旅2022(6)比叡山、義仲寺、瀬田の唐橋

Yさんはどうしても比叡山で茶の木を探したいという。唯一昨日言われたのが、信長の叡山焼き討ちで焼けなかった瑠璃堂付近にあるらしいという不確かな情報のみ。仕方なく比叡山スカイラインを車で登って行ったが、何と料金が2400円もして驚く。道理で車が少ないわけだ。

上までいき、目印の駐車場で車を降りたが、瑠璃堂は見付からない。山中ではGoogleも当てにならない。かなり迷って山道を右往左往した後、何とか到着。そこには古びたいい感じのお堂があり、その向こうに確かにほんの少し茶樹があった。ただお坊さんに聞いたところ、が30年前に植えたやぶきただという。そして『比叡山に茶はない』とダメを押される。

折角高いお金を払って来たので展望台まで行ってみた。なぜかこんなところに植物園もある。ここだと琵琶湖や大津だけでなく、大阪や京都の町が見える。山頂は更に上にあったが、もう行かなくてよいだろうと下り出す。そのまま下まで降りていき、唐崎神社を目指す。

ここは琵琶湖畔にあった。午前中に行った梵釈寺跡、嵯峨天皇は唐崎に行幸したのだから、当然この神社に立ち寄っただろう。そして今は枯れたように曲がっているが、大きな松を見ただろう。何とも非常に景色の良い琵琶湖だった。ここでYさんとお別れして、一人歩き出す。

この付近には戦国末期、あの明智光秀が坂本城を造営した。今は公園になっており、なぜか光秀像に近寄ると光秀を歌った演歌が流れて驚く。琵琶湖のほとりで、ここも風景が良く、サクラもきれいだ。本能寺の変後、坂本城は炎上し、城は大津へ移っていく。近所には明智塚もあった。明智は四国で生きていた、などの説もあるが、明智一族はどうなったのだろうか。

京阪電車に乗って宿まで戻る。疲れたが、この宿には大浴場が無いのが悔やまれる。腹も減ったので、晩御飯にカレーを食べに行った。肉カレーという名前だが、歳の私には死ぬほど多いステーキ?が入っており、完食するのにかなりの労力が必要だった。帰りは腹ごなしにかなり散歩してから戻る。

4月9日(土)義仲寺と芭蕉

今日も天気が良い。早々に歩き始める。宿の近くに大津事件の裁判が行われた大津別院跡があるはずだったが、なぜか見付からない。旧大津公会堂はレンガ造りのいい感じの建物。そこから市立図書館へ回ったが、何と10時開館と書かれており、閉まっていたのには驚いた。コロナのせいだろうか。

待っている時間が無駄なので、京阪大津から電車に乗り、京阪膳所駅へ移動。そこから歩いて義仲寺を目指す。ここは昨晩散歩中に偶然発見した場所で、木曽義仲ゆかりの寺だと思い、見学した。義仲寺は小さな空間だったが、中身は濃かった。まずは巴御前の供養塔を見る。そこに書かれていたのは、巴は生き残り、和田義盛の妻になったとある。初めて知った。

その奥に義仲の墓がある。更にその横には何と、松尾芭蕉の墓があるではないか。なぜこんなところに芭蕉が出て来るのか。聞けば木曽義仲を好んでいた芭蕉の遺言だそうだ。大阪で亡くなった芭蕉の遺体を、弟子たちが船に乗せてここまで運んだというから、さぞや大変だったことだろう。芭蕉の句碑は至る所にある。そして奥の池の向こうに見える翁堂。天井は何と伊藤若冲が描いている。この辺の人間関係は面白そうだ。

義仲寺の帰り、大津教会の建物を見た。和風の瓦屋根の上に十字架が載っている。それからまた図書館まで戻ってきた。『滋賀茶の歴史』というテーマで資料を探してもらい、取り敢えず1時間で効率的な作業を行い、朝宮茶、政所茶、紅茶などのコピーを取った。

宿で荷物を引き取り、それを引っ張って京阪で次のホテルへ移動した。そこでまた荷物を預けて、歩いて瀬田の唐橋へ向かう。2日前に橋を通り掛かった時は満開だった桜は既に散りかけていた。この唐橋は古代の壬申の乱、源平合戦、承久の乱など、何度も争いのキーポイントになっている、まさに歴史的な場所。今はきれいになっておりその雰囲気はない。

そこから川沿いをゆっくり歩いて石山寺へ。花吹雪が何とも心地よい。ここは寺がテーマパーク化しており、かなり広い敷地、山沿いには芭蕉と紫式部の像などがあり、散策コースになっている。かなりの起伏や階段を歩き、膝が痛くなってしまった。それもあり、寺から歩いて県立図書館に向かうつもりが、断念。高速道路の端を歩いて渡れるのかも良く分からなかった。

バスで駅前へ戻り、特に期待もせずに観光案内所で歴史的な場所を聞くと、『今井兼平の墓は歩いて行けます』という。10分ほど歩くと、思っていたよりかなり立派なお墓があって驚く。この近くが兼平最後の地。兼平は理想の武士だったのだろうか。巴御前とは兄弟だったのだろうか。

芭蕉の幻住庵にも行ってみた。かなり近かったが、中に入ることはできなかった。トボトボ帰る途中、東レ、日本電子硝子、ロームなど大企業の工場が並んでいた。宿へ行き、チェックイン。駅前で簡単に夕ご飯を済ますと、湖畔を散歩する。粟津と書かれている。風が気持ちよい夕暮れ。

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